これを最後まで読んだ方は、一緒に旅したのと一緒。バーチャル中辺路歩き(2日目)です。
2日目の概要(比曽原王子〜熊野本宮:25.0km)
熊野トラベルのガイドブックによると、2日目の標準時間は8.5〜11.5時間です。距離が長く、熊野本宮大社は見どころも多いので、早朝から歩き始める方が良いです。
自分のGPSの記録では、距離25.0km、登り1112m、下り1515m、時間7時間40分でした。
【標高グラフ】

<熊野トラベルのHPより>
比曽原王子〜発心門王子
朝食をしっかり食べて、7時前に宿を出発。オープンしたての宿だけど、応援したくなる宿だった。

朝食はパン(コースターもおしゃれ)
しばらくはなだらかな舗装道路の歩き。
名水百選の野中の清水で、水分を補給。ペットボトルを満タンにした。
名水と銘水の違いが気になった。名水は良質な水質と資料を保つ水源で、銘水は名高い清水や川を指す。ここは名水というわけだ。

名水百選の野中の清水
舗装道路から登っていくと継桜神社。すごい杉の木。樹齢800年を越えているらしい。

継桜神社と樹齢800年を超える杉の木
神社の下には、かやぶき屋根の戸が茶屋がある。早朝で、まだ空いていない。少し先には秀衡桜がある。継桜の桜は、植え継がれている秀衡桜のこと。だからここは継桜というのか。

継桜神社の茶屋
1日目はトレイル率が高かった。今日は、歩き始めから小広王子までは舗装道路。晴れているけど、雪がちらついてきた。日本列島を襲っている寒波の影響だ。
小広王子からトレイルの下り。水戸黄門の撮影に使われるような街道。下った後は、杉林を登る。

杉林の中熊野古道
草鞋峠から下って、分岐に到着。2011年の台風でトレイルが崩壊している。岩神王子の方にはいけない。迂回路を通る。

トレイル崩壊のため迂回路に回る
迂回路だから林道と思ったらが、しっかりしたトレイル。アップダウンもある。珍しくシングルトラックであるが、しっかりした道だ。迂回路も悪くない。シダ植物が出てきて、今までとちょっと植生が違う感じ。

天気も良くなり一瞬南国のようなトレイル
高度が上がってきた。周りの山と同じ高さで、景色良い。岩上峠手前。今日の最高標高点付近。峠を出ると、東側斜面に出た。杉林の中に、朝日が眩しい。

朝日が差し込む杉林のトレイル(妄想に浸る)
峠ごとにアップダウンを繰り返し。杉林の中を歩いていると、妄想時間帯に入る。
昨日読んでいたドンキホーテの創業者(安田隆夫さん)の本を思い出した。学者などでなく、ビジネスをリアルでやってる人の話は面白い。PDCAを高速で回すとか仮説検証とか言うけど、安田さんはとにかく生き伸びるために自分の頭で考えて考えて実行して、今のドンキホーテの形(圧縮陳列、深夜営業、POP洪水)となる。社風からはトップに権限が集まっているイメージがあったが、積極的な権限委譲というのも以外であった。
朝日で輝く杉林の中を下っていく。
蛇形地蔵と湯川王子が谷にあり、そこからまた登り返し。また杉林の中。この辺になると、峠ごとにアップダウンを繰り返す。王子と地蔵と神社の連続。記憶が曖昧になってくる。

蛇形地蔵(祠と鳥居の写真が多くなる)
三越峠で車道に1度出てすぐトレイルに入る。熊野古道入り口の関所がある。ここで大きなおにぎり1個とおかずを食べる。せっかくのお弁当の写真を撮り忘れる・・・

三越峠の関所(といっても門があるのみ)
階段をしばらく下ったあと林道になる。その後、石の階段の下りになる。
赤城越え分岐の後に、船玉神社がある。赤城越えでも熊野本宮に行くことができるが、本日のルートより険しいようだ。川沿いの道をしばらく歩く。
猪鼻王子には林道より100メートル位川のほうに下る。トレイルに戻って、登り返して発心門王子に着く。
発心門王子〜熊野本宮
発心門王子は舗装道路の横にある。バスでもアクセスできるため、ここをスタートにする人も多い。

発心門王子から歩き始める人も多い
舗装道路を下り、しばらく集落の中を歩く。継桜以来の集落を通る。

時折、集落を通り山里の生活感を感じる
初めて八咫烏(ヤタガラス)と遭遇。かわいらしい道標だ。八咫烏は、導きの神であるとともに、天照大神を含む熊野の神々の使い。 脚が3本なのも特徴的。 また、八咫烏はサッカー日本代表チームのロゴマークこのロゴマークにも使われている

八咫烏(ヤタガラス)のすてきな道標
また、雪がちらつく。果無(はてなし)山脈方面が見える。高野山からの小辺路のルートの山々。

三里富士(百前森山)
水呑王子からはトレイルに突入。伏拝王子からは熊野の景色が良い。そこからの下りは杉じゃない林の中を歩く。そして、必ず立ち寄るべきポイントの「ちょっとより道」だ。

絶対に、「ちょっとより道」をお勧め
ちょっとより道すると展望台がある。大斎原の大鳥居が見える。南側の山々は晴れているが、小雪がちらつく中、大鳥居が見えた。

小雪がちらつく中、展望台から大斎原の大鳥居
今日は峠のアップダウンの道が多かった。山歩きに慣れていない人は、発心門王子から熊野本宮までの歩きでも、熊野古道を楽しめる。
熊野本宮大社
熊野本宮大社には、裏の鳥居から入る。

裏の鳥居からこっそり熊野本宮に入った感
まずは、御本殿に入る。

裏からなので、いきなり御本殿に入る
御本殿はお参りするところが沢山あって作法がわからなかった。お参り後に、お参りの仕方の説明を読む。お参りの順番はめちゃくちゃであった。

御本殿は参拝手順を読んでから参拝しましょう
その後、本堂を下って表の鳥居を通る。厳かな感じがする。この熊野本宮の街は栄えてると思っていたけど、商魂たくましい街じゃないのも良い。もっと観光地化されていてもおかしくない。

表参道の鳥居
バス停の前にある世界遺産熊野本宮館で、中辺路コンプリートのサーティフィケーションをもらう。とりあえずスタンプは完了であるが、このスタンプ用紙に残りの中辺路のスタンプを押していった。

共通巡礼手帳の中辺路コンプリート(あと3日歩くけど・・)
大斎原(おおゆのはら)の鳥居を見に行く。写真で見ていたが、あまり凄さを感じていなかった。田んぼの中の大きな鳥居という感じ。実際来てみると、ここの雰囲気の中で、神聖さを感じる。
熊野本宮大社はかつて、熊野川・音無川・岩田川の合流点にある大斎原と呼ばれる中洲にあった。ところが明治22年(1889年)の大水害により社殿の多くが流出したため、水害を免れた4社を現在の熊野本宮大社がある場所に移した。大斎原がもともと熊野本宮大社があったところである。

大斎原の大鳥居
大斎原を参拝後、小さな橋を渡ると、「八咫烏サッカー必勝記念碑」があった。
記念碑にも刻まれている三本足のカラス「八咫烏」は、神武天皇御東征の折、山深い熊野を道案内して勝利へと導いたことから「導きの神」として信仰の対象となっている。昭和6年からこの八咫烏が、日本サッカー協会のシンボルマークとして用いられるようになったとのこと。

熊野の神様がサポートしているサッカー日本代表
本日は素泊まり泊のため、街で唯一のコンビニ「デイリーヤマザキ」で朝ごはんを購入。コンビニだけど定休日もあり。午後6時半に閉店するようである。あと、買い物できるところとしてはコーナンがある。
宿泊先
本日の宿は、「ゲストハウス結」。 高台にある。

ゲストハウス「結」
チェックインしてお風呂に入る。近くに温泉施設もあるとのこと。熊野本宮に来てからは活動量が落ちてるので、寒くなっていた。体が暖まった。
ゆっくりした後、晩御飯を食べに外に出る。雪が降って、少し雪が積もっていた。

雪が積もった熊野本宮の街並み
この日、熊野本宮では1軒しか食べるところは空いてない「麺屋みつはし」でラーメンを食べる。味噌ラーメン、手羽元、高菜丼、煮卵を食べた。店主は名古屋から移住した人とのこと。熊野には移住してきた方が多い。熊野本宮大社の節分で赤鬼をやったらしくて、声が枯れている。すっかり地域に溶け込んでいるのだろう。
晩御飯を食べることができる所は少ない。月曜と火曜は「麺屋みつはし」のみ。それ以外の曜日は、「宮すし」のみ。歩いて行ける範囲で晩御飯を食べることができるのは、毎日1軒のみである。世界中から歩きにきている旅行者が困らないようにと、月曜と火曜のみ夜営業しているとのことであった。熊野本宮の町の素晴らしい連携を見た。
トレイルで話をした若者とラーメン屋でバッタリ会う。同じ宿のとのこと。暗くなって、雪が降る中、細かい道を迷いながら一緒に宿に戻る。
彼は歩くペースが速く、大日越で日本最古の温泉ともいわれる湯の峰温泉(つぼ湯という入浴できる世界遺産もある)でお風呂に入ってきたとのこと。余力がある人ならいくのも良いかもしれない。
コメント