はじめに
宿泊したホテルから約17kmを6時間トレッキングした。バイクで棚田のビューポイントを巡ることもできる。しかし、今回の旅では車やバスの移動が多くて、思いっきり歩くことにした。
標高は1150m〜1600mくらい。アップダウンはあるもののトレッキングといっても足元の悪いところはなく、村の道を歩く。
日本とは違うのは水牛、ニワトリ、アヒルなど多くの家畜が歩いていること。番犬として飼われている犬に威嚇させれことが多々あり、歩くのに注意が必要だった。
【ルート図】
ホテルをスタートしてムーカンチャイの里山を一周。ホテルはムーカンチャイの中心部から20kmくらい離れているので、町中には行かず、終始里山を歩き、モン族のリアルな生活の中を歩いた。

※スタートのログ記録を取り忘れ、実際にスタートとゴールは同じ地点
【標高グラフ】

ムーカンチャイをトレッキング
トレッキング17km
ホテルはバンガロータイプの部屋に宿泊。風の音とニワトリの鳴き声で目を覚ます。夜中には時折り犬が吠えているのが聞こえた。テントほど出ないが、バンガロー内には屋根の隙間から風が吹き込む。自然の中にいることを感じられてた。エアコンがないが、気温が15〜20℃と快適であった。
本日のトレッキングのガイドはスワさん。ホテルに住み込みで働いており、ガイドだけでなく、夕食の配膳なども手伝っている。高校を卒業したばかりの19歳の女性。前の週に訪問したハザン省にあるドンヴァンで数ヶ月英語を勉強し、ガイドを初めて数ヶ月。ムーカンチャイはこれから観光客が増えていくはずだから、良いタイミングでガイドになったと思う。
ホテルは綺麗な棚田の中にある。歩き始めてすぐに、思い描いてた通りの棚田の中を歩く。天気の悪かったサパからムーカンチャイに移動してきて正解。朝日が眩しいなかトレッキングを開始した。



棚田の中には可愛らしい小屋がある。モン族の住宅用の家ではなく、農作業のための小屋。休憩したり、昼ごはんを食べたり、時には昼寝をする。なかなか良い環境のセカンドハウス。
水牛や牛が収穫の終わった田んぼに放されてゆっくり草を食べている。
稲刈りのシーズンである9月〜10月が観光のベストシーズン。キャパが小さいホテルやバスは予約でいっぱいになるそうだ。滞在中に、バイクやトレッキングをしている観光客を数組会っただけで、まだ観光化されていない。村の住民や子供たちも、観光客に慣れていなくて、シャイな感じだった。

トレッキングといっても、基本的に村の生活道を歩く。水牛が歩いていたりする。水牛は基本的に温厚だが、刺激しないように注意する必要がある。あの角に突進してこられたら大変なことになる。

おじいさんが、水牛を連れて、田んぼの方に向かっていた。

眺めの良い高台に農作業用の小屋がある。棚田は自然の山の形状を生かした形になっている。

舗装道路も多いが、舗装されていない道もある。舗装されている道が多くて、生活がしやすいように開発が進んでいる。ガイドのスワさんはここから20kmくらいの村で育った。電気は5年くらい前に村に来たばかり。ただ、現在は、山の上のどの家にも電気が来ている様子だっだ。

道沿いには、シンボル的な木を残したりしていている。モン族は、日本人と似たように万物にか神が宿るというアミニズム(自然崇拝)の考え方を持つ。山や木はもちろん、お米などにも神が宿っていると考えている民族。考え方のベースが似ていて、安心感がある。

農作業用の小屋は、思った以上にしっかりした作り。モン族の家は高床式でなく、土間対応であるが、農作業用の小屋は高床式であった。高床式なので、お米とか保存しているのかと思ったが、そうではないらしい。

どこまでも続く棚田。山の上の方にはとうもろこし畑など水が少なくても育つ植物を栽培している。


道路脇が崩れていて、みんなで仲良く修復作業をしていた。村の人たちが、協力して色々な作業をしていたのを見かけた。

村の移動手段の最有力はバイク。車はまだまだ走っていないし、道が狭い。

道路脇にある果物を取って食べるとグァバだった。皮が薄くて、皮ごと齧ることができた。

タバコの花が咲いていたりする。初めてみた。

のどかな村の道をひたすら歩く。今回の旅は車やバスの移動が多くて、今日は1日歩きまくる気持ちでいた。

3時間ほど歩いて、初めて座っての休憩。モン族の家に立ち寄った。庭先でおばあさんが刺繍をしていた。ガイドのスワさんとは顔馴染みで、モン語でやり取りをしている。モン族の女性は、赤や緑のカラフルな布を頭に巻いているのが普通。ただし、70歳以上になると青色の布を巻いているのが普通だと教えてもらった。服装も青色をベースとした民族衣装で落ち着いた感じ。
話している言葉は違うけれど、自分の祖母にも話し方や表情も似ていて、少し前の日本のおばあちゃんという感じだった。

天気の良い日だったので、家の前には洗濯物がたくさん干されている。どこの家も子供が多い。

水がない丘の頂上にも田んぼがあって不思議だなと思っていた。近づいてみると、近くの山から黒いチューブで水を送っていることがわかった。工夫して、とことん土地を使っていることがよくわかる。

屋根の上にかぼちゃが置かれているのが目についた。屋根の重しというのも変で、理由がよくわからなかった。何かおまじない的な理由があるかもしれない。

人間が工夫した故の棚田広がるベトナムの里山風景がどこまでもひろがる。


昨日車で通った谷にある道路の方に向かって坂を下っていく。

棚田のビューポイントに到着。

芸術的な棚田が広がっていた。

歩いた道で唯一あったレストラン。

眺めの良い2階で昼ごはんを食べた。

昼食後もホテルに戻るために歩いていく。村の中心部には幼稚園や小学校が必ずある。しかも、村で一番綺麗で大きな建物。ベトナム政府は教育に力を入れていることがよくわかる。社会主義国家なので、費用は無料。
高校になると村に学校がないので、アパートを借りて共同生活を始めるとガイドのスワさんに聞いた。日本と違って、小学校は5年、中学校は4年、高校は3年で、新学期は9月始まる。

学校の前には、やっぱり駄菓子屋があった。

どこまでも続く棚田。


川を渡って見上げると、ようやくホテルが見えた。

モン族のお宅訪問
ホテルオーナーの両親と兄弟が住んでいる家があり、お宅を訪問させてもらった。見知らぬ人の家だと失礼にならないかと心配になるが、知り合いだけに遠慮なくお宅を訪問させてもらった。
庭先では、収穫して干したとうもろこしの選別作業をしていた。

母屋は入らせてもらった。お客さんは表のドアから入らずに、脇のドアから入るのが普通だという。

家は3つの部屋からなっている。土間で窓がないのが、モン族の家の特徴。一番奥に台所がある。

一番手前の部屋の入り口にお客用のベッドがある。

天井には収穫されたとうもろこしが吊るされている。
家の出入口や梁には、悪霊が入り込まないように、たくさんの御札を貼られている。家の中の柱にも貼られている。文字を持たない民族だけど、この御札を作るために、紙を作っているというのががちょっと不思議である。

一番奥の台所には囲炉裏がある。

モン族の家では、豚、牛、ニワトリなどの家畜は必ず飼っている。また、どの家にも番犬として犬が飼われている。


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