【本日の記録】
* 天気: 晴れ一時雨
* 歩行距離: 40.8km(※GPSの実測値)
* 累積標高: 上り 657m / 下り 646m(※GPSの実測値)
* 時間: 10時間5分(活動9:42、休憩0:23 ※実測値)
* 困難度: ★★★★★(距離が40kmオーバーで細かなアップダウンも多いため星5つ)
* 宿泊地: 民宿くもも(連泊:土佐清水市久百々)
* 参拝した札所と区間距離(目安):
* 民宿くもも 〜 第38番 金剛福寺:約19.6km
* 第38番 金剛福寺 〜 民宿くもも:約19.6km
* 総距離:約39.2km(実測は40km超え)
荷物を置いて身軽に出発!四国最南端を目指す
今日は第38番・金剛福寺のある足摺岬までのアタック日。
今夜も同じ「民宿くもも」に連泊させてもらうため、重いバックパックを宿に置いたまま、貴重品とお遍路の道具、そして足のケアグッズだけを持った「空身」で出発することができる。片道19.6km、往復で約40kmの長丁場になるため、この身軽さは本当にありがたい。
宿の方のご配慮で、朝食は5時半に用意していただき、早めの出発で時間に余裕を持つことができた。
朝6時前に歩き始める。室戸岬を歩いていた時は満月だった月が、足摺岬に向かう今朝は三日月になっていた。月の満ち欠けに、旅の長さと時間の経過を強く感じた。

宿を出発し、太平洋を横目に見ながら足摺半島を南下していく。荷物がないだけで足取りは驚くほど軽い。

大岐の浜では、木の橋を渡ってしばらく砂浜を歩くこともできるが、行きは常緑広葉樹の樹林帯の中を歩くルートを選択した。波が立ち、朝焼けの中に月が見える、とても美しい景色だった。



亜熱帯の空気が漂う、足摺半島への道
足摺岬へ近づくにつれて、植生が少しずつ変わってくるのを感じる。ヤシの木やアロエ、椿など、南国特有の植物が沿道を彩る。
ふと思ったが、どこの半島の先端も森の植生や地形の感じがよく似ている。伊豆半島、紀伊半島、そしてここ足摺岬。黒潮の恩恵を受ける温暖な気候と、海風に耐える深い森という共通点がそうさせるのだろう。

海岸線に沿ってアップダウンを繰り返しながら進む。果てしなく続くような一本道だが、空身の軽快さと、「今日でついに最長区間が終わる」という期待感が背中を押してくれた。

道中、車がスッと止まり、お接待としてみかんをいただいた。「頑張ってください」という言葉が心に沁みる。その後、立派なへんろ小屋で休憩し、いただいたみかんを食べた。めちゃくちゃ甘くて美味しかった。


足摺岬に近づくにつれて道はトレイルではなく、舗装道路のしっかりした道になる。交通量もほぼなく歩きやすい。ただ、途中にお店は全然見当たらないので、食事は持参した方が良いと思う。
歩いていると、大分から来たという快速の歩きお遍路さんが追いついてきた。しばらく一緒に歩いたが、私は先にお寺に参拝するため途中で別れることに。お互いの旅の無事を祈り合った。
彼はこの後、足摺半島の西側(土佐清水市街地方面)へ抜けて半島をぐるりと回るコースを選択し、私は来た道をそのまま戻る「打ち戻り」コースを選択する。
(※足摺岬への遍路道には、東海岸から入って西海岸へ抜ける「周回ルート」と、東海岸をピストンする「打ち戻りルート」がある。打ち戻りの方が距離が短く、1日早く次の札所へ向かうことができるのだ。)
最長区間を越えて第38番・金剛福寺に到達
そしてついに、四国最南端・足摺岬の先端に建つ第38番・金剛福寺に到着した。断崖絶壁の上にあるイメージだったが、意外にも道路のすぐ脇にあった。

第37番の岩本寺からここまで約80km以上。四国八十八ヶ所の中で最も長い札所間を、自分の足だけで歩き切ったのだ。
境内は南国の植物に囲まれ、非常に広大で立派な造りになっている。長い長い「修行の道」を乗り越えた達成感と安堵感に包まれながら、本堂と大師堂でしっかりと読経を済ませた。

お寺の近くにはジョン万次郎の銅像がある。子供の頃、漂流記が好きでよく本を読んだのを思い出した。

参拝後、すぐ近くにある足摺岬の展望台にも立ち寄った。目の前に広がるのは、丸みを帯びた水平線と紺碧の太平洋。地球の丸さを実感できる、まさに「最果ての絶景」だった。


その後「天狗の鼻」にも立ち寄る。ここは「21世紀に残したい日本の風景」に選ばれた絶景ポイントだ。足摺岬の灯台が美しく見える場所だが、残念ながら灯台は少し改修中だった。足摺岬の波は荒々しくて、風がとても強い。

そして、ふと反対側を振り向くと、今まで歩いてきた長い海岸線が遠くの遠くまで見渡すことができた。「こんなに歩いてきたんだな」という実感と同時に、今日は打ち戻りルート。「これを歩いて帰らなきゃいけない」という現実が目の前に突きつけられた。

また、近くにある天然記念物の「ビロウ自生地」にも立ち寄った。(※ビロウはヤシ科の常緑高木で、南国情緒をより一層引き立ててくれる。足摺岬の亜熱帯気候を象徴するような植物だ。)

達成感を胸に、再び19.6kmの帰路へ
絶景と達成感を十分に味わった後は、再び来た道を戻る帰路につく。
20km以上歩いた後なので、さすがに帰りは疲れが出てきた。それでも「帰れば宿がある」「重い荷物がない」という事実が心の大きな支えになる。
途中、へんろ小屋で宿の女将さんが作ってくれた大きなおにぎりを食べ、エネルギーを補給した。沢庵が2枚刺さっていた。もうひとつのおにぎりには、梅干しが刺さっていた。新しいスタイルのおにぎり。とても良い。

「海遊館以布利センター」の近くを通った。なんとここは、週末限定でジンベイザメを近くで見ることができるそうだ。しかも無料。今日は金曜日…1日違いで見られず、本当に残念だった。
帰りの大岐の浜に戻ってきた。

行きとは違って砂浜のルートを歩いてみた。足摺岬側で1箇所、川を渡る場所があるのだが、今日は水が少なかったのでジャンプで飛び越えた。ギリギリセーフ。

そこから約1kmほど、砂浜をひたすら歩く。

「僕の前には道はない、僕の後ろに道は出来る。」
高村光太郎の詩を思い出しながら振り返ると、後ろには自分のガニ股の足跡が延々と続いていた。

夕方、無事に「民宿くもも」に帰還した。
40kmを超える距離を1日で歩き抜いたが、怪我もなく達成感で満たされている。
晩御飯は、ハマチのお刺身でした。

四国遍路の大きな関門である足摺岬を制覇し、明日からは再び北上して次なる札所(39番・延光寺)を目指すことになる。
しかし、実は明日も連日のロングウォークが控えている。果たして無事に次の宿に辿り着けるか、少し不安もあるが、まずは今日の疲労をしっかりと癒やす。
【ヤマレコの記録】
詳細なルートの参考用として、ヤマレコの記録をつけておきます。


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