【本日の記録】
* 天気: 曇り
* 歩行距離: 30.5km(※GPSの実測値)
* 累積標高: 上り 196m / 下り 276m(※GPSの実測値)
* 時間: 9時間14分(活動7:56、休憩1:18 ※実測値)
* 困難度: ★★★☆☆(平坦だが距離が長く、最後のアスファルトが足に来る)
* 宿泊地: 徳島市秋田町のホテル
* 参拝した札所と区間距離(ガイドブック参考):
植村旅館 〜 第13番 大日寺:約12.3km
第13番 大日寺 〜 第14番 常楽寺:約2.5km
第14番 常楽寺 〜 第15番 国分寺:約1.0km
第15番 国分寺 〜 第16番 観音寺:約1.9km
第16番 観音寺 〜 第17番 井戸寺:約3.0km
第17番 井戸寺 〜 徳島市秋田町:約7.6km
(※設定ルートの合計:約28.3km)
1. 山から里へ、鮎喰川に沿ってロングウォーク
昨日の「遍路ころがし」の余韻を感じつつ、植村旅館を出発。今日は山を下り、徳島の中心市街地へと向かうルートだ。
朝ごはんをしっかり頂く。

まずは第13番 大日寺を目指し、鮎喰川にかかる沈下橋を渡る。日本の原風景とも言える景色の中、川沿いの県道をひたすら歩いた。道端には梅の花が彩りを与えてくれる。ニワトリの鳴き声、鳥のさえずり、川のせせらぎ……目を閉じると、色々な音が優しく響いてきた。


旅館で、「鮎喰川というからには、鮎が釣れるんですか?」と尋ねてみたが、「釣れるのは雑魚ばっかりでね」とのこと。綺麗な水なのに、名前と違ってあまり鮎は釣れないらしい。少し残念だ。
この区間は約12kmと意外と長い。舗装された平坦な道が続くが、景色が変わらない分、精神的なスタミナが試される。川のせせらぎを聞きながら、無心で足を前に出した。
そんな道中、大日寺の手前で初めての「お接待」を受けた。99歳になるというおばあちゃんが、小銭をジャラジャラと手渡し、「もう歳だからお参りに行けないので、代わりにお参りしてきてね」と声をかけてくれたのだ。
お接待とは、地元の人々がお遍路さんに食べ物やお金などを提供して応援する、四国ならではの温かい文化だ。お遍路さんを弘法大師の化身として敬い、その旅を支援することで自分も功徳を積むという意味合いがある。99歳のおばあちゃんの思いをありがたく頂戴し、お賽銭として使わせていただくことにした。
2時間半ほど歩き、第13番 大日寺に到着。

道路を挟んで向かい側には「阿波一宮・一宮神社」があり、かつて神仏習合の霊場だった名残を感じさせる。手を合わせ、ここから徳島市内の「寺打ちラッシュ」へ向けて気持ちを引き締めた。
2. 住宅街に点在する古刹(14番〜16番)
13番から先は、1〜3kmおきに札所が点在しているため、歩いては参拝、歩いては参拝という忙しいリズムになる。景色も徐々に田園風景から住宅地へと変わっていった。
* 第14番 常楽寺: 入り口から見ると立派な石垣があり、まるで小さなお城のような雰囲気だ。境内に入って驚いたのは、「流水岩の庭」と呼ばれるごつごつとした岩盤の地面。自然の岩肌がそのまま残されており、歩きづらくはあるが、野性味あふれる独特の空気が漂っていた。


* 第15番 国分寺: 聖武天皇の勅願によって全国に建てられた国分寺の一つ。現在は住宅街の中にひっそりと佇んでいる。

* 第16番 観音寺: 住宅街の路地のような道を抜けた先にある。こじんまりとしているが、地元の生活に深く溶け込んだ温かみのあるお寺だった。

3. 第17番 井戸寺と「面影の井戸」
16番から約3km歩き、今日最後の札所、第17番 井戸寺へ。

ここには、絶対に外せないスポットがある。弘法大師が錫杖で一夜にして掘ったと伝わる「面影の井戸」だ。
「井戸の水面に自分の顔が映れば無病息災、映らなければ3年以内に厄災が訪れる」
そんな恐ろしい伝説がある。
おそるおそる、井戸の中を覗き込んだ。
薄暗い井戸の底、水面にゆらりと自分の顔が映った。
「よし、無病息災だ」と思った。

4. 最後のアスファルトの試練と、徳島で阿波踊りを踊ることになるとは
井戸寺を打ち終えた時点で、足はかなり疲労していたが、今日のゴールはまだ先だ。ここから徳島市の繁華街・秋田町まで約7.6kmを歩く。18番へ向かうルートには「地蔵越え」と呼ばれる山道コースもあるが、今回は徳島市街を観光しながら進むお遍路コースを選んだ。
昼食は、国道沿いにある「お食事・しんの」でうどん定食をいただいた。ご夫婦2人で切り盛りしている昔ながらのお店だ。日替わりのうどん定食(750円)はボリューム満点で、うどんもしっかりとコシがあって美味しかった。

道中、足に違和感を覚えて確認すると、左足の小指に水ぶくれ(マメ)ができていた。ドラッグストアに立ち寄り、テーピングとキズパッドを購入。持っていた安全ピンで水を抜き、テーピングで応急処置を施した。足の裏ではなく、左足の小指だったのが不幸中の幸いだ。


市街地へ入ると交通量も多くなり、静かな山歩きから一転、賑やかな都市の喧騒へと飛び込んでいく。行き交う人々の中で、白装束のお遍路姿は自分だけで、ちょっぴり恥ずかしさを感じる。
ホテルへチェックインする前に「阿波おどり会館」へ立ち寄り、本場の生の阿波踊りを鑑賞した。ここはただ見るだけでなく、実際に踊る参加型のショーだった。「手を挙げて足を出せば、阿波踊り」というそうだ。ショーの最後には、観客もみんなで舞台に上がって踊ることに。お遍路姿のまま見よう見まねで一緒に踊っていたら、なんと優良賞をいただき、賞品に缶バッチをもらった。見るのも良いが、実際に踊ってみると本当に楽しいものである。


今日はこのすぐ近くにあるホテルに宿泊。夜の街に繰り出し、名物の徳島ラーメンを堪能した。

足のマメは気がかりだが、ホテルに戻ってから再度しっかりと水を抜き、明日に備える。「発心の道場」徳島県の区切りはまだ見えてこないが、まずは明日の18番、19番を目指す。
もし四国お遍路に興味がある方がいれば、この4日間で1番から17番までを「お試し」で歩いてみるのをおすすめしたい。東京発着の3泊4日でも十分に可能な行程。今回私が歩いたのはガイドブック通りの標準日程だが、決して楽な道のりではない。それでも、自分の足で歩き抜く経験はきっと素晴らしいものになるはずだ。
【ヤマレコの記録】
詳細なルートの参考用として、ヤマレコの記録をつけておきます。


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