【本日の記録】
* 天気: 晴れ
* 歩行距離: 26.2km(※GPSの実測値)
* 累積標高: 上り 1,690m / 下り 1,678m(※GPSの実測値)
* 時間: 8時間27分(活動7:38、休憩0:49 ※実測値)
* 困難度: ★★★★★(「お鶴」「太龍」の連続登頂)
* 宿泊地: 山茶花(22番平等寺の横)
* 参拝した札所と区間距離(ガイドブック参考):
きちん宿 お鶴 〜 第20番 鶴林寺:6.0km
第20番 鶴林寺 〜 第21番 太龍寺:約6.7km
第21番 太龍寺 〜 第22番 平等寺:約10.9km
第22番 平等寺 〜 宿(山茶花):0km
(※設定ルートの合計:約23.6km)いざ「お鶴」へ。歴史ある古道と丁石
「きちん宿 お鶴」での朝食は、冷蔵庫にある食材を自分で調理するスタイル。パン、サラダ、ワカメスープ、牛乳、そしてみかんをいただいた。「目玉焼きにでもして」と言われていたが、卵は使わなかった。その他にも無料のおやつや飲み物が充実しており、サーモスの水筒には、温かい生姜湯を入れた。
宿の名前にある「きちん宿」とは木賃宿のことだろうが、実質は2食付き。さらに山中用の昼食まで持たせてくれる、いわば「1泊3食付き」のありがたいおもてなしだ。
出発前の儀式として、女将さんと一緒に写真を撮る。そして、リビングの壁にある世界地図に「どこから来たか」を示すシールを貼らせてもらった。まだオープンして1年半とのことだが、すでに世界各国からのシールが貼られている。ただ、イスラム圏からの訪問はほぼ無いというのが視覚的にわかりやすくて面白かった。非常に温かい宿だった。


出発し、いよいよ阿波の難所の一つ、第20番 鶴林寺へ向かう。まずは登山口まで約3kmを歩き、そこから標高約500mの山頂を目指す過酷な登りに入る。みかん畑を抜ける農道で、少しずつ高度を上げていった。桜が綺麗。日本の春だ。

この鶴林寺へ続く「鶴林寺道」には、約650年前の南北朝時代に建てられた花崗岩製の丁石が点在している。今回は南北朝のものは見つからず、江戸時代後期くらいのものを見かけた。水呑大師から境内まで続くこの古道は、後半になると趣のある石畳に変わり、通夜堂の跡なども見られる歴史深い道だ。さらにその先の「太龍寺道」も、急勾配の階段や舟形の丁石が残り、昔の遍路の面影を色濃く残している。


途中で見晴らしの良い場所に出た。これから向かう21番太龍寺の山が見える。あそこへ行くには、一度川のところまで下って、また同じだけ登り返さなければならないという最高のご褒美つきだ。うれしいな(笑)。

静寂な杉林と檜林の中を歩いていると体温が上がり、じんわりと汗をかいてくる。一歩一歩踏みしめながら、最後の約2kmの険しい山道を登りきり、ようやく20番 鶴林寺に到着した。山門では運慶作とも言われる大迫力の仁王像が睨みを利かせ、境内に立つ立派な雌雄の鶴の銅像が出迎えてくれる。最初の難関を越えた達成感を得た。


下ってまた登る。西の高野山「太龍寺」へ
鶴林寺から川の麓まで一気に降りてくる。せっかく500m登った分がこれでチャラになった。歩き遍路にはよくあることだ。
麓の小学校でトイレを貸してもらい、橋のところにある自販機で一息つく。さぁ、橋を渡れば21番太龍寺への上りだ。こちらも標高約500mの山頂にある。


ふと川を見ると、徳島も渓流釣り解禁のようだ。しかし、お遍路中は「殺生」をしてはいけない。

四国遍路には、道中に守るべき「十善戒」という10の教えがある。
* 不殺生(生き物を殺さない)
* 不偸盗(盗まない)
* 不邪淫(道ならぬ恋をしない)
* 不妄語(嘘をつかない)
* 不綺語(無意味なおしゃべりやお世辞を言わない)
* 不悪口(悪口を言わない)
* 不両舌(二枚舌を使わない)
* 不慳貪(貪欲にならない)
* 不瞋恚(怒らない)
* 不邪見(間違った考えを持たない)
この間、宿にてんとう虫が二十に匹くらいいて、逃がしてあげた。ただ、夏の藪蚊の襲来は修行ですね。
太龍寺への道は「遍路ころがし」と呼ばれる急坂が続く。ロープウェイを使えば一気に山頂まで行けるらしいが、歩き遍路は自分の足で登るしかない。

太龍寺へ到着。樹齢数百年はあろうかという巨木に囲まれた境内は、「西の高野山」と呼ばれるにふさわしい荘厳な雰囲気が漂っていた。お大師様が若き日に修行したという「捨心ヶ嶽」の空気に触れ、心が洗われる思いだった。

お大師様の像がある岩場まで歩いて行ってお参りをした。ただ、ここの岩場は足場が悪く鎖場もあるため、体力や足元に不安がある方は無理に行かないほうが良いだろう。


太龍寺から下りの山道に入るが、なかなか標高が下がらない。水平な山道を数キロ歩く。
お腹が減りすぎたので、杉林の中の日当たりの良いところで昼ごはんにした。宿で持たせてくれたおにぎり2個とバナナ、そしてみかんをいただく。みかんは西日本では小さい方が好まれるようだが、関東では大きいものが好まれる傾向にあるという話を聞いた。

のどかな里山を抜け、第22番 平等寺へ
阿瀬比という集落まで降りてきて、遍路小屋で少し休憩。
山を抜けると、のどかな里山の風景が広がっていた。ここから第22番 平等寺までは5km弱。大根峠という小さな峠を越える。立派な遍路小屋があり、そこを通り過ぎると車道に出た。
アップダウンの少ない平坦な道だが、すでに2つの山を越えた体には、最後の小さな峠が地味に脚に来る。

ようやく第22番 平等寺へ到着。バックに小さなお山があり、青空がよく似合うお寺だ。本堂へ続く階段を登るのが地味につらかったが、お参りを済ませると不思議と心が軽くなった。

幸いにも、足のマメは回復傾向で痛さも無くなってきた。工夫したのは靴下の履き方だ。左右で合う靴下が違い、右は中厚手、左は薄手というチグハグな組み合わせだが、これが今の自分にはベストマッチ。さながらフィギュアスケートの「りくりゅうペア」のような見事な相性である。

今宵の宿「山茶花」へ
平等寺から本日の宿「山茶花」へと向かう。「お寺から8歩」というのがこの宿の売り文句だが、本当にお寺の目の前にあった。
お遍路屈指の山岳コースである「お鶴」「太龍」を1日で踏破した。とはいえ、普段の登山者目線から見ればハイキングコースレベルではあるのだが、それでも大きな達成感がある。
宿に着いてからは、洗濯、風呂、ヤマレコの記録、ブログの執筆という毎日のルーチンをこなす。

晩御飯は、これでもかというくらい豪華な食事だった。一日中歩いた後の食事は最高である。

明日は海沿いのルート(23番薬王寺方面)へと向かう予定だ。山の厳しさから海の景色へ。また一つ四国の違う顔が見られることを楽しみ。
【ヤマレコの記録】
詳細なルートの参考用として、ヤマレコの記録をつけておきます。


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