四国歩き遍路7日目|八十八ヶ所(23番) 山茶花から薬王寺を越え海山荘へ、約45kmの過酷なロングウォーク

四国・四国遍路

【本日の記録】

 * 天気: 曇りのち雨

 * 歩行距離: 44.6km(※GPSの実測値)

 * 累積標高: 上り 818m / 下り 820m(※GPSの実測値)

 * 時間: 10時間0分(活動9:38、休憩0:22 ※実測値)

 * 困難度: ★★★★★(とにかく距離が長く、後半の20kmが精神的にも肉体的にも過酷)

 * 宿泊地: 海山荘(鯖瀬口)

 * 参拝した札所と区間距離(ガイドブック参考):

    山茶花 〜 第23番 薬王寺:約19.7km

    第23番 薬王寺 〜 海山荘(鯖瀬口):約20.0km

    (※設定ルートの合計:約39.7km)

未知の40km超えへ。覚悟を決めて宿・山茶花を出発

昨日の「お鶴」「太龍」の激しいアップダウンの疲労はあるが、今日はチャレンジの日。目的地である鯖瀬口の「海山荘」までは約40km以上。歩き遍路を始めてから最長の1日になる。

「とにかく無心で歩くしかない」と腹を括り、お世話になった宿「山茶花」を出発した。

山から海へ、徳島最後の札所・第23番 薬王寺

前半の目的地、第23番薬王寺までは約19.7kmの道のりだ。これまでなら1日の行程に匹敵する距離だが、今日はこれでやっと半分。

小さな峠を越えて、はじめてのトンネルを通る。

海が近づいてくると、道路沿いに「カニに注意」の標識が現れた。

由岐の田井ノ浜で、ついに砂浜に出る。連日歩き続けた山や田園の景色から一転、潮の香りが漂い始め、太平洋の雄大な景色が目に飛び込んできた。海の広大さに少しだけ気分が晴れる。

ただ、ここで一つ誤算が生じた。ガイドブックだと薬王寺まで約20キロの距離だったのだが、13キロ歩いた時点で残りがまだ13キロもある。おそらくガイドブックの距離表示は最短ルートの国道沿いを行く場合のものなのだろう。

この想定外の距離の長さに焦り、ついつい歩くペースを上げてしまう。その代償として足裏が痛くなってきた。早めに対処すべく、キズパワーパッドを足裏に貼ってその上にワセリンを塗り、様子を見ることにした。

しばらく歩くとやはり痛いので、今度はツルツルの靴下に変えてみる。昨日は左右違う靴下を履いて「りくりゅうペア」と言っていたが、あえなくコンビを解消。右足用の靴下を左足にも履いてみると、これが非常に具合が良い。足が痛いのが見事に解消された。

木岐(きき)と恵比須浜というのどかな漁村を通っていく。

砂浜の向こうに薬王寺が見えた。あと2.5キロだ。

その先の恋人岬で、太平洋を静かに眺める。

半日かけてようやく日和佐の街に入り、第23番薬王寺に到着した。

ここは厄除けの寺として全国的に有名で、境内には女厄坂(33段)、男厄坂(42段)、男女還暦厄坂(61段)という石段がある。一段登るごとに1円玉を落として厄を落とすのが習わしだ。これまでの道中で小銭はすっかりお接待や賽銭で使ってしまっていたが、気持ちを込めて石段を登り、本堂で手を合わせた。

ここ薬王寺は、阿波の国(徳島県)である「発心の道場」の最後の札所。マメの痛みに耐え、山を越え、ついに徳島の札所をすべて打ち終えた。しかし、次の第24番札所(最御崎寺)までは約75km以上も離れており、四国遍路の中で最も札所間の距離が長い区間となる。ここから本当の試練が始まるのだ。

本当の試練。果てしなく続く後半の20km

薬王寺での参拝を終えても、今日の行程はまだ終わらない。むしろ、ここからが本当の試練だった。

薬王寺のすぐそばにある「やすらぎ」で、厄除けうどんを食べる。エビにお餅、わかめが入っている豪華なうどんだ。残りの過酷な道を歩き抜くため、しっかりとエネルギーを注入する。

今日の宿である海山荘までは、ここからさらに20kmも歩かなければならない。普段なら札所を打てば「今日の大きな目標は達成」と気が緩むところだが、今日は参拝後の疲労した体で、もう一度朝から歩き直すような感覚だ。

ついつい先を急いでしまう自分がいた。すると、もう1人の自分が現れて「おい、そんなに急いでどうするんだよ。足裏を守るのと早く着くの、どっちがいいんだよ」と問いかけてきた。もちろん答えは足裏を守ることだ。ゆっくり歩くことを心がけるようにした。

国道55号線は、ここから海から一旦離れる。おおむね歩道はあるが、ないところもある。車道歩きなのもつらい。行き交う車の音を聞きながら、頭の中を空っぽにし、ただ右足、左足と機械のように前に出すことだけを考える。まさに「我慢も修行」を地でいくような数時間だった。

この区間の国道はトンネルが多く、「新・遍路ころがし」とも呼ばれる難所だ。

14時過ぎに雨が降ってきたので、雨具を着用する。

ひたすら歩き続け、ようやく牟岐町(むぎちょう)の街まで降りてきた。残り宿まで4キロ位。もう先が見えた。セブンイレブンでコーヒーを飲み、ほっと息をつく。

宿の近くの「鯖大師本坊」に立ち寄る。ここは四国別格二十霊場の第四番札所で、弘法大師が馬子から塩鯖を乞うたが断られ、その後に起きた奇跡(死んだ馬が生き返り、塩漬けの鯖が海を泳いだ)から名付けられたという伝説があるお寺だ。

境内にある「お砂踏み道場」にも入ってみた。ここは四国八十八ヶ所の砂が敷き詰められており、真っ暗な洞窟の中を歩くだけで全札所を巡ったのと同じご利益があるという、とてもありがたい場所だ。

限界の先で辿り着いた鯖瀬口「海山荘」

ようやく鯖瀬口にある今宵の宿「海山荘」の看板が見えた。

約44.6kmという凄まじい距離を、自分の足だけで歩き切った。宿に到着し、靴を脱いだ瞬間の解放感は半端なかった。

海山荘の夕食は、海鮮をふんだんに使った料理。驚くこと、2食付きで、約5千円であること。食堂はオーシャンビュー。明日の活力を頂いた。

徳島県を自分の足で踏破し、未知の40km超えを乗り越えた。

明日はついに県境を越え、土佐の国(高知県)「修行の道場」へと足を踏み入れる。

【ヤマレコの記録】

詳細なルートの参考用として、ヤマレコの記録をつけておきます。

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