四国歩き遍路8日目|海山荘から民宿徳増へ、土佐の国へ入る本格的な雨の43kmロングウォーク

四国・四国遍路

【本日の記録】

 * 天気: 雨

 * 歩行距離: 43.1km(※GPSの実測値)

 * 累積標高: 上り 182m / 下り 203m(※GPSの実測値)

 * 時間: 9時間46分(活動9:32、休憩0:13 ※実測値)

 * 困難度: ★★★★★(連日の40km超えに加え、本格的な雨が体力と気力を奪う)

 * 宿泊地: 民宿 徳増(室戸市)

 * 参拝した札所と区間距離(ガイドブック参考):

    海山荘(鯖瀬口) 〜 民宿 徳増(佐喜浜):40.8km

    (※設定ルートの合計:40.8km。第24番最御崎寺へ向かう途中の道)

本格的な雨の中、連日の40km超えへ出発

昨日の44.6kmの激闘の疲労が多少残る朝。予報通りの本格的な雨が降っていた。

今日の目的地である室戸市の「民宿 徳増」までは、ガイドブック上の距離で40.8km(実際は43.1km)。連日の40km超えというだけでも過酷だが、この雨がさらに難易度を引き上げている。

足の裏の痛みやマメの具合を確認し、入念にテーピングを施す。雨具をしっかりと着込み、ザックカバーをかけ、靴の中が濡れる不快感を覚悟して「海山荘」を出発した。

今日は札所での参拝は一つもない。ただひたすらに、国道55号線を南下する移動日だ。

太平洋側から雨風が吹きつける。菅笠をまぶかに被り、前傾姿勢で歩くその姿は、まるで浮世絵に描かれた「雨の中、橋を渡る人」のようだっただろう。横を通り過ぎるダンプカーが跳ね上げる水しぶきに怯えながら進む。

途中の宍喰の道の駅でアイスを食べた。雨とはいえ気温は15度と割と暖かかった。雨だとなかなか休憩する場所がないので、オアシスみたいなところだった。

さらば徳島。ついに「修行の道場」土佐の国・高知へ

雨粒が容赦なく打ち付ける中、黙々と足を動かし続ける。宍喰の街を抜け、トンネルを抜けるとそこは高知県だった。

ここで、阿波の国(徳島県)である「発心の道場」は終わりを告げ、ここから先は土佐の国(高知県)「修行の道場」へと入る。

自分の足だけで一つの県を踏破したのだという達成感と同時に、高知県の果てしない広さを思うと不安になる。特に高知は札所と札所の間の距離が長く、まさに修行のような道程が続くと言われている。この降りしきる雨が、さっそく修行の道場の洗礼を浴びせているかのようだった。

坂を下っていくと、高知県に入って最初の集落である甲浦の漁村に出る。静かな入り江が広がる港町だ。

ここから少し進んだところにある番外霊場「東洋大師」にも立ち寄った。弘法大師が野宿したと伝わる由緒ある場所で、これからの長旅の安全を祈願して手を合わせた。

雨の海岸線、己との戦い

県境を越え、東洋町から室戸方面へと続く長い長い海岸線を歩く。

晴れていれば雄大な太平洋を望む素晴らしい景色なのだろうが、今日は灰色の空と荒れた海が広がるばかりだ。雨具を着ていても、長時間歩き続ければどうしても少しずつ雨水が染み込んでくる。

雨の日は休憩する場所を見つけるのも一苦労だが、ちょうど東洋町にある「民宿まるたや」の前にベンチがあった。昼食代わりにと、以前いただいたみかんや羊羹を食べていると、宿の方がお接待で温かいお茶を淹れてくれた。冷えた体にじんわりと染み渡る。

東洋町を抜けるとしばらくはお店も何もない海岸線が続くため、ここでしっかり補給を済ませておく必要がある。

果てしなく続く海岸線を歩いていく。この辺りの海岸は、ピンポン玉から漬物石くらいの大きさの丸い石がゴロゴロしている浜辺だ。波が荒い日には石が転がる音が響くことから「ゴロゴロ石」と呼ばれているそうだが、まさに今日は波打ち際から「ゴロゴロ」と迫力のある音が聞こえてきた。

途中の東屋で休憩しているドイツから来たお遍路さんと一緒になり、しゃべりながら歩いた。同じ民宿に泊まるということで、抜きつ抜かれつしながら歩を進める。一人で黙々と歩くより、気が紛れて本当に良かった。

35kmほど歩いた頃、不思議な感覚に陥った。突然、足がふっと軽くなったのだ。まるで神様か仏様が降臨した瞬間、いわゆる「ランナーズハイ」のお遍路バージョンのような状態だろう。ずっと辛いと思っていても、ふとその辛さが抜け落ちる時がある。これも修行の中で得られる気づきの一つかもしれない。

雨の中、渇水で地面の中でじっと耐えていたカエルたちが、今日の雨で元気を取り戻したかのように思い切ってゲコゲコと鳴いている。カエルにもつらい時は耐え忍び、良い時を待つという心構えを教わった気がした。

今日のゴールである佐喜浜の8kmほど手前、入木という集落に入る。山と海に挟まれたわずかな平地に田んぼがあり、小さな土地に家々がひしめき合うように建ち並んでいる。まさに日本の原風景と呼べる美しい景色だった。

その先にある佐喜浜八幡宮もとても素敵な佇まいだった。

今宵の宿「民宿 徳増」へ

雨に打たれ続けること数時間。夕方になり、ようやく今日の目的地である室戸市佐喜浜にある「民宿 徳増」に到着した。本当に海の前にある民宿だった。

温かい出迎えを受け、濡れた雨具や靴を脱いだときの安堵感は、何物にも代えがたいものだった。

すぐにお風呂で冷え切った体を芯から温める。連日の40km超えにもかかわらず、脚に大きな故障がないのが幸いだった。

晩御飯は、この旅で1番のボリュームと質。地元の佐喜浜で水揚げされた金目鯛、カツオ、アジ、ブリ。野菜も地元で採れたものばかり。地元産でないのは醤油くらいという徹底ぶり。お茶は自家製の薬膳茶というこだわり。高知に来た感が沸々と湧いてきた。「修行の道場」に臨む。

【ヤマレコの記録】

詳細なルートの参考用として、ヤマレコの記録をつけておきます。

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