雲南省•ラオスの旅⑧ 世界遺産 ルアンパバーンで朝の托鉢に参加

ラオス

はじめに

「ラオス」は、東南アジアの内陸に位置する山岳国。50の民族と言語があり、文化的な多様性に富んでいる。日本の3分の2の国土に、767万人(2023年)しか住んでいない。1人当たりGDPは2088ドル(2022年)であり、ミャンマー、カンボジアに次いでアセアン10カ国の下から3番目である。

気候も土壌も良く、人々も良い。政治が腐敗しなければ伸びていくと思う。政治次第だ。どんな組織も上から腐る。

ちなみに、サッカーFIFAランキングは190位(2025年6月11日現在)とかなりの下位だが、久保建英選手に似た若者は多い。

前回のベトナム旅行と同様に、多くの少数民族に惹かれてラオスに来た。今回は中国滞在がメインだった。ラオスをまわる時間がないのが残念。

多くの少数民族民族がいるが、複雑に考えなくて良いと、樫永真佐夫さんの「 道を歩けば、神話 ベトナム・ラオス つながりの民族誌」という本では言っている。

ラオスの民族数は2000年に49として公式に発表された。だが民族数がいくつかよりも、まず重要なことは、それぞれが低地ラオ、山腹ラオ、高地ラオという三グループのいずれに分類されるかだ。 

低地ラオは高床家屋が並ぶ村に定住し、盆地を灌漑してスイギュウに犂をひかせて田んぼで米をつくっている。ラオ、ルー、黒タイ、白タイなどタイ族で、モチ米を主食とし、上座仏教徒が多い。ただし黒タイ、白タイは仏教徒ではない。  

山腹ラオは谷奥などに村をつくり焼畑を耕している。狩猟や竹細工も得意だ。モン・クメール語系の集団が多く、宗教は精霊崇拝。タイ族が入植する以前からの先住民たちとされ、北部ではコムーがその代表だ。  

高地ラオはしばしば土間の家に住み山頂近くに村をつくって、焼畑で米やトウモロコシを主につくっている。これに含まれるのはチベット・ビルマ語系のアカ、モン・ヤオ語系のモンやヤオなど、主に十八世紀以降に中国から移住してきた集団だ。伝統的には精霊崇拝だが、二十世紀からキリスト教化も進んでいる。

道を歩けば、神話 ベトナム・ラオス はじまりの民族誌

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「ルアンパバーン」は、ラオス北部の古都。1995年に世界遺産に登録されている。理由は、14世紀以降のラオ族王朝の都として栄えた歴史的な背景と、仏教文化、そしてフランス植民地時代の建築様式が融合した独特の景観が評価されたため。早朝の托鉢や、数多くの寺院など、仏教文化が色濃く残っているのも世界遺産に登録された理由のひとつ。

【ルアンパバーン中心部】

中心部は川に囲まれた半島部分。外周道路の幅(半島の細い部分)は200mと想像した以上に狭い。メインはサッカリン通り。サッカリン通りから脇に入ると静かな街並みとなる。半島の先端は長さ2kmもなく、歩いて回ることができる。

上の地図のポイントだけ覚えておけば十分くらい。こぢんまりとした街。

  • サッカリン通り
  • プーシーの丘
  • ルアンパバーン国立博物館
  • ワット・シェントーン
  • メコン川
  • ナイトマーケット
  • モーニングマーケット

朝の托鉢に参加する

ルアンパバーンに来たら「朝の托鉢を見て、文化に触れてください」というようなことがガイドブックに書かれている。ホテルにチェックインする時に、「托鉢は朝5時45分からです」と言われる。聞いてもいないのに、見るのが必須のようなイベント。(時期によって時間は変更になる)

「托鉢」について、言葉は知っているけど、日本にいる限りあまり考えたことはなかった。

「托鉢」とは、僧が修行のため、鉢(はち)を持って、家の前に立ち、経文を唱えて米や金銭の施しを受けて回ること。

参加することに怖い、無礼にならないか心配だったが、参加して良かったと思う。

まずは、道路にお供え品を売っている。自分は50,000キープ(350円くらい)で一式購入。

お供え品はカゴの中に入った白飯(もち米)とお菓子。ご飯をつまむためにビニール手袋が付いてくる。

道路脇の座席に座らせてもらう。そして、襷みたいなものを肩にかけてもらった。隣は中国人の旅行団。すでにお供え品がセットされていた。

僧侶が来るので、蓋を開けてご飯をスタンバイ。ドキドキする。

僧侶が列をなしてやってくる。今(6月)は、観光のローシーズンで空席はが目立つ。

かなりのハイペースで通り過ぎる。ご飯を渡すのに、四苦八苦。僧侶は200人来るので、少しづつしか配ることができない。ひとつまみのご飯で失礼でないかと心配になる。

子供の僧侶もやってくる。お菓子を渡す。みんな同じような考えなのか、子供はお菓子をたくさんもらっている。エコバックのような別の袋に入れるパターンもあるし、そのままご飯と一緒に入れるパターンがある。

托鉢後は、僧侶の皆さん清掃を行なっていた、学校や会社などみんなで掃除するのは、道徳心・一体感を育てるのには必要なんだろう。大切だと改めて思った。

托鉢に参加することに心配はあったが、せっかくルアンパバーンに来たので、参加して良い経験だった。

地元民の托鉢風景

表通りには観光客の托鉢がメイン。「地元民はどのように托鉢しているのか?これは観光客用のパフォーマンスなのではないか?」と思い、裏道での地元民の托鉢風景を見てきた。

表通りのように盛況ではないが、ひっそりと托鉢が行われていた。観光客と違う点は、手づかみでお米を掴むこと。コロナ前には、観光客もお米は手づかみだったようだ。お米を掴みやすいように、横には水が用意されている。おにぎりを作るときの要領と同じ。あと違う点は、マイデスクとマイチェアで、籐で作られた年季の入ったものを使っている点だった。

ルアンパバーンの町並み

メインのサッカリン通り。メインロードでもこの静けさ。車は基本的に外周道路を走るため、サッカリン通り静かで歩きやすい。

おしゃれな街並み。カフェ、レストラン、雑貨屋、ホテル、マッサージ屋などが連なる。

旧宗主国のフランス風が街並みに入っている。

疲れたらカフェで一休み。涼むこともできる。

モン族っぽい少数民族の衣装、カバンなどが売る店もある。

ATMも多くあり、お金を引き出すに苦労しない。ほぼ現金支払いだ。

メコン川がどろーんと流れている。夕方はクルージングで景色を眺めながらのツアーもある。

日の入りは7時ごろ。8時になると街はもう静かになる。散歩して、カフェでのんびりして、ご飯を食べる。時間があるので読書する。のんびりできる街である。

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