黒部川源流で日本最高所に棲むイワナを釣り&鷲羽岳登山【釣行記】

キャンプ
日本最高所に棲むイワナを釣る

はじめに

初心者🔰釣りシリーズです。

日本最高所に棲むと言われるイワナを釣りに、黒部川の源流に行ってきました。

黒部川の源流は、鷲羽岳付近にあります。北アルプスの最深部で、どの登山口からも辿り着くのに2日掛かります。長野県側からは高瀬ダム、岐阜県側からは新穂高温泉、富山県側からは折立が登山口となります。一番短時間で行くことができる新穂高温泉からでも11時間歩く必要があり、累積の登りは約1800mあります。

今回は、新穂高温泉から三俣山荘まで1日で行って、2日目に釣りと鷲羽岳登頂、3日目に下山という予定としました。台風が接近しており、3日目の午後から天候が崩れるため、3日間の強行日程となりました。

1日目は、午前5時50分より新穂高温泉の無料駐車場から歩き始め、8時間歩いてようやく見えてきた赤い屋根の三俣山荘。テント場も併設されています。三俣山荘は、日本百名山のひとつである鷲羽岳(標高2924m)の麓にあります。ここまで来てボウズは避けたいので、2泊することにしました。

三俣山荘に来たことがあります。しかしながら、こんな高山での釣りは初めての経験。また、いつもと違って沢ぐつなど釣り道具一式を持っているため、リュックが重くて、1日で辿り着くことができるのか不安でした。

鷲羽岳と三俣山荘

渓流釣りをしたきっかけを与えてくれたのは三俣山荘でした。9年前に悪天候で三俣山荘に逗留した時、「黒部の源流ではウブなイワナが釣れるんだよ」と聞いて、いつかこのような高山で釣りをしてみたいと夢見ていました。昨年、高校の同級生より釣りを教えてもらい、何度かイワナを釣ることが出来てきたので、日本最高所に棲むと言われるイワナ釣りに挑戦しました。

<補足>

北アルプスでのイワナ釣りで有名なのは薬師沢小屋付近です。今回行った黒部川源流は、薬師沢小屋のさらに上流で、標高500mくらい高い場所です。

釣行記

1日目:黒部川源流調査

新穂高温泉から長時間の山歩きでしたが、15時にはテント受付と設営が完了。時間があったので、黒部川の源流を調査してきました。

三俣山荘のテント場から北側に下って、20分くらいに「黒部川水源地標」があります。

黒部川水源地標

水源なので、黒部川の最初の1滴が染み出すイメージでしたが、そんなことはありません。すでに、しっかりした渓流になっています。三俣山荘の水場から流れ落ちる川や三俣蓮華岳からの川もも合流していました。

ここは雲ノ平に向かう渡河点でもあり、多くの登山者も通りします。99%以上は登山者で、釣りをしている人は皆無。「こんな所で釣りしているんだ」という目で見られます。

黒部川の源流

少し川を下っていくと、小さなイワナを見かけました。少し釣り糸を垂らしてみましたが、長時間歩いて疲れていて、踏ん張りが聞かず転倒などの怪我心配。また、夕方近くなってきており、熊の出没が怖くて、本格的な釣りは翌日にしました。

2日目:黒部川源流での釣り

1日目の夕方から雨が降り始めました。2日目の朝は、小雨。

期待と不安。ドキドキのスタートです。

雨具を着て、沢ぐつを履いて、ハイマツを抜けて、源流に向かいます。

まずは、魚がいる確率の高い下流に向かいます。とにかくボウズだけは避けたい。1匹でも良いのでイワナを釣ることができたら、ガッツポーズです。

いつもの渓流釣りは、水の流れに逆らって泳いでるイワナに見つからないように下流から上流に釣り上がるのが基本。今回は、下流に向かって下っていくのが通常と違います。イワナは非常に敏感であり、人影を見ると岩陰に隠れて当分出てきません。したがって、イワナに見つからないように、河岸を離れるか静かに下りることを心がけました。幸いにも、源流だけど川幅があります。右岸を歩いて下って、左岸から釣り上がるようにしました。

釣りを開始して10分程度は、反応がありません。斜度があって、川の流れが強い。深さもあり、ルアーの方が向いていそう。テンカラ釣りでは厳しいのか?などと不安になりながら毛鉤を投げ続けます。流れが急でなく、イワナが逃げ込みそうな岩場付近に毛鉤を投げ込むと、魚が掛かった感触がありました。しかし、針の掛かりが浅く、水中で逃げられた感じ。もう一度、毛鉤を投げ込み、強く竿を引き上げたら、20cmくらいのイワナが釣れました。1日歩いてきた甲斐がありました。

参考までに、最初にイワナが釣れたところはこんな感じです。

朝でイワナが水面に上がってきていないことが予想されたので、ビーズニンフという沈める毛鉤を使いました。黒っぽい虫が多い感じだったので、黒い毛鉤を使いました。

あとで、三俣山荘の人に聞いたら、黒色の毛鉤がよく、昼間ならドライの毛鉤で釣れるとのこと。三俣山荘の人は10号の針を使っていたのですが、ここのイワナは餌を食うのが下手で、小さいサイズの方が良いかもとのこと。自分の使った14号の針で良いとのことでした。

その後、20cm以下のイワナが数匹釣れました。

そして、5匹目くらいで、本日最大の25cmのイワナをゲット。黄色味を帯びた貫禄のあるイワナです。

本日最大のイワナは、このような場所で釣ることができました。

最終的に、2時間ほどの釣りで15匹のイワナを釣ることができました。先日読んだ林学者の本多静六さんの本には、「昔、上高地で釣りをできて、畑の大根を抜くくらい簡単に釣れた」と書いてありました。本を読んだ時に、分かりませんでしたが、毛鉤を投げたら連続してかかる瞬間があり、川からイワナを引っこ抜く感じがし、畑の大根を抜く感じがしてきました。

あまりにもウブなイワナを騙し続けるのも善良な市民を騙す詐欺師のような気がして、今まで釣ったイワナの総数を超えた15匹で釣りをすることをやめました。

天気も回復したので、鷲羽岳に登ることにしました。次回の記事で、登山記を紹介します。

鷲羽岳山頂付近からの槍ヶ岳と鷲羽池

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