はじめに
日本最高所に棲むと言われるイワナを釣りに、黒部川の源流に行ってきました。
釣行記については、「黒部川源流で日本最高所に棲むイワナを釣り&鷲羽岳登山【釣行記】」に書いています。
日本最高所と言われるイワナは標高2400mくらいに棲んでいます。日本100名山である鷲羽岳(標高2924m)の麓にある三俣山荘のキャンプ場に2泊して釣りをしました。三俣山荘へは、最短で行くことができる新穂高温泉からでも11時間歩く必要があります。簡単に行くことはできないエリアです。
【登山ルート】
1日目:新穂高温泉〜ワサビ平小屋〜鏡平山荘〜双六小屋〜三俣山荘
2日目:黒部川源流で釣り & 鷲羽岳登山
3日目:三俣山荘〜双六小屋〜鏡平山荘〜わさび平小屋〜新穂高温泉
※新穂高温泉から三俣山荘まで1日で行きましたが、途中の山小屋で一泊するのが一般的です

【標高グラフ】
1日目は、新穂高温泉から三俣山荘までほぼ登りばかりです。少し早めに着いたので、黒部源流の釣りの下見に行っています。
2日目は、黒部川源流の釣りと鷲羽岳登山です。
3日目は、1日目のルートで下山しました。

山行記
1日目:新穂高温泉〜ワサビ平小屋〜鏡平山荘〜双六小屋〜三俣山荘
午前5時45分に新穂高温泉の無料駐車場に到着。平日なのに、ほぼ満車。辛うじて車を駐車できました。三俣山荘も満室だったので、夏休みを終わったとは言え、北アルプスは大人気です。

無料駐車場の上には、有料の駐車場があります。こちらはまだ余裕があり。1日1200円です。休日はこちらも満車になるのでしょう。無料駐車場の一番下に車を駐車し、新穂高温泉のバス停まで10分くらいかかりました。

さらに川を渡った上流には、ネット予約専用の駐車場がありました。

新穂高温泉からはダラダラと林道を登り、1時間15分くらいでワサビ平小屋に到着。ここでは無料で水を補給できます。なるべく荷物を軽くするためには、スタート時はペットボトル1本で十分です。
ワサビ平小屋から10分くらいで、登山道に入ります。林道歩きとは、明らかに斜度が違いますが、登山道は石畳のように整備されており、段差は小さく、歩きやすいようになっています。しかし、稜線までは標高で1000m以上の登りが続き、体力は削られていきます。決して楽ではありません。

登山口の横には、神流川の上流の左俣谷川が流れています。釣りをしたい気持ちはありますが、本日の三俣山荘に辿り着くことができるか不安な状況。先を急ぎます。

登山口に入って、40分くらいで、秩父沢出合に到着。出発から2時間ちょっと。最初の休憩で、おにぎりを食べます。

秩父沢出合から1時間40分で、鏡平に到着。天気は良いけど、槍ヶ岳は雲の中。少し残念。

鏡平の標高は、2300mくらい。すでに、新穂高温泉から1100mくらい登って来ていて、身体が熱い。コーヒーフロート(1100円)でクールダウン。本格的なコーヒー。コーヒーの苦さとアイスクリームの甘さがちょうど良い。中に入っている氷が大きくて、身体が冷やされます。

コーヒーフロート以外にも、かき氷やうどんなどもあります。水は有料で購入することができるので、軽量で登りたい方は、ここで水を購入という手段もあります。

鏡平からは、眺めの良い登山道を稜線に向かって登っていきます。長い登りが見えると辛いのですが、後ろを振り返ると鏡平山荘が見えて、個人的には好きなポイント。残念ながらここでも槍ヶ岳は見えません。

稜線に出ると、小さなピークがいくつかあります。それを越えると双六小屋が見えて来ます。その向こうには、鷲羽岳が見えます。本日の目的地である三俣山荘は鷲羽岳の麓。まだまだ歩く必要があります。

双六小屋まで来ると鷲羽岳は近く感じます。ここからは、巻道を通りますが、小さなアップダウンが続き、三俣山荘まで2時間以上かかります。今回はテント泊一式と釣り道具も持っているので、リュックがどんどん重くなってくる感じです。
双六小屋では、無料で水を補給できます。ちょうど12時、昼食です。残りのおにぎりを食べます。このルートは長いですが、水の補給ポイントがあり、助かります。

双六小屋から三俣山荘へ向かう巻道。下から三俣蓮華岳を見上げます。巻道ですが、登ってもその先に登りが待っています。

三俣峠を越えて、下っていくと、とうとう見えた三俣山荘。8時間歩いてようやく見えました。

三俣山荘の左奥には水晶岳も見えます。

三俣山荘でテントの受付をします。熊が出没するため、山荘に近いA、B、Cのエリアにテントを張ります。食料の保管には十分な注意が必要です。ビーフジャーキーを持って行ったのですが、匂いで熊を呼びそうで、食べずに持って帰って来ました。匂いが残らない食べ物が良いのかもしれません。1日目の晩御飯はカレーを予定していましたが、五目ごはんにしました。
午後2時時過ぎに到着したので、テント場は空いていましたが、夕方にはほぼ埋まっていました。

三俣山荘は植生保護に力を入れています。トレッキングポールの使い方への注意です。
まず知っていただきたいこととして、トレッキングポールの先にストックキャップをつけているのと、つけていないのとでは、地面(植生)に与えるダメージは全く違います。
✔︎夏山でトレッキングポールを使う人は、ゴムキャップをつけて地面へのインパクトを減らしてください。
✔︎ストックが必要ない平坦な場所ではストックを突かないように留意して歩いてください。
また、三俣山荘では植生保全協力クーポンを発行しています。道直しへの寄付(500円分)をしました。

テント場には水場があります。甘い水で美味しいです。水が豊富なテント場はストレスがなくて良い。頭から水を被って、さっぱりしました。

2日目:黒部源流での釣り & 鷲羽岳登山
1日目の夕方から降り出した雨が止まず、小雨が降る朝。

黒部川の源流に釣りに行きます。
釣りについては、「黒部川源流で日本最高所に棲むイワナを釣り&鷲羽岳登山【釣行記】」に書いています。

2時間くらいで15匹のイワナを釣りました。最大は25cmのイワナです。三俣山荘の人は、前日に7時間釣りをして、テンカラで尺イワナを1匹釣ったとのことです。

イワナを釣って、長い距離を歩いて魚が釣れないというプレッシャーから解放されました。満足感に浸りながら、三俣山荘で昼食を食べます。

新メニューの「アルプスのパンセット」を注文。チーズフォンデュにミネストローネとソーセージなどがついています。槍ヶ岳は雲の中ですが、少し北鎌尾根が見えます。常念岳〜表銀座本面を眺めながら、美味しく頂きました。

食堂は山小屋に2階にあり、眺めが良い。コーヒーは、サイフォン式で本格的です。

昼食後に、鷲羽岳に登ります。登っていくと、初めて槍ヶ岳山頂が見えました。

西側斜面の眼下には、先ほど釣りをしていた黒部川の源流が見えます。

鷲羽岳山頂からは、槍ヶ岳と鷲羽池が綺麗に見えます。

山頂から北アルプスの裏銀座と表銀座も見えます。

標高2924mの鷲羽岳登頂です。

北側には、水晶岳が見えます。余裕があればに行こうを思っていましたが、釣りで体力的にも時間的にも厳しかったので、今回は登ることを見送りました。前回は暴風雨で行くことができず、水晶岳にはなかなかご縁がありません。

下山していくと、槍ヶ岳手前の硫黄岳のみ光が当たって、黄色く輝いています。硫黄岳は、硫黄の影響で木々が生えていません。

夕食は、三俣山荘で頂きました。名物のジビエシチューです。ご飯のおかわり自由で、3杯頂きました。小皿の料理もビストロ風。パンの上にパテとピンクペッパーがのっており、本格的です。

3日目:三俣山荘〜双六小屋〜鏡平山荘〜わさび平小屋〜新穂高温泉
2日目の夜は、雷雨でした。雷鳴が轟きましたが、すぐ止むだろうと寝ていました。起きたら、綺麗な朝焼け。この日は台風が近づいており、午後から天気が崩れる予報。

5時30分に歩き始めます。三俣峠に向かって登ります。振り返ると鷲羽岳から朝日が昇ってきました。

双六小屋へ向かう途中、一瞬穂高が見えました。3日間とも穂高連峰には雲がかかっており、山頂や大キレットを望むことはできませんでした。

双六小屋への下りです。雲がなければ、槍ヶ岳が正面に見えたはずです。

双六小屋では行動食を少し齧って、天気が崩れる前に、一気に鏡平まで下りました。

鏡平山荘では、にんにくの効いた味噌ラーメン(1200円)を食べました。

鏡平から下っていくと、登山口が見えて来ました。

秩父沢出合では、イワナがいるか少し遡りましたが、魚影は見えませんでした。

登山口について、10分ほど林道を歩くとワサビ平小屋に着きます。

ワサビ平小屋からは、林道を1時間少し歩くと、新穂高温泉のバス停に到着しました。雨が降る前に下山。少し車を走らせると雨が降って来ました。
今回は、夜に雨が降るのは止む得ないとして、天候に恵まれ、釣りを初めて1年で日本最高所に棲むイワナを釣ることができてました。来年は薬師沢小屋に泊まって、釣りをする計画を立てています。
コメント