鍋割山北尾根を越えて、ユーシンブルーを見て、玄倉川で釣り

丹沢
ユーシンブルー

コース概要

長い間通行止めだった玄倉林道が通行できるようになった。ユーシン渓谷で「ユーシンブルー」を見たくて、8年ぶりくらいに歩いてきました。

ユーシンブルー」とは、西丹沢のユーシン渓谷にある玄倉ダムの貯水池に溜まった水が、神秘的に青く見える現象のことです。透き通った水面が太陽の光を反射し、鮮やかな青色に見えることから、「ユーシンブルー」と呼ばれています。 

丹沢湖の玄倉バス停からの往復だけでは物足りない。塔ノ岳から玄倉林道への下山道は通行止め。雨山峠から玄倉林道への道も通行止め。蛭ヶ岳越えは厳しすぎる。現在、玄倉林道往復以外のルートを設定しにくい状況。

そこで、東丹沢登山詳細地図に載っている「鍋割山北尾根尾根ルート」を通って玄倉林道に向かいました。スタート地点は、塔ノ岳の登山口の大倉バス停。そこから西山林道を通って、鍋割山を登って、「鍋割山北尾根尾根ルート」で玄倉林道に下りました。

鍋割山北尾根尾根ルート」は、バリエーションルートです。踏み跡も薄く、ピンクテープなどの印もありません。登山詳細地図では熟練者向けとなっていますので、注意が必要です。

鍋割山北尾根尾根ルートより下りた玄倉林道のオガラ沢出会〜ユーシンロッジ分岐」までは林道の崩壊が進んでおり、通行注意です。行くことをお勧めしないレベルでした。

神奈川県自然環境保全センター 丹沢大山エリアの登山道通行情報(2025年2月12日情報)では通行可能ですが、個人的には通行をお勧めしません。自分はこの情報で通行可能を判断し、行くことにしました。

下山後に調べた山北町のホームページでは、「ユーシンロッジ以降は通行止め」と読めます。この情報の方が今の状態に合っていると思いました。

ユーシンロッジまでの通行について、徒歩の通行については規制が解除されましたが、県営玄倉林道及び玄倉治山運搬路については法面の岩盤崩落等に伴う復旧作業を引続き行っています。通行する際は落石や崩落、倒木等に十分注意して通行してください。

通行止めには多数の情報があり、状況も随時変わるので、登山前に確認の必要性を感じました。

【ルート地図】

区間1大倉バス停から西山林道を通って鍋割山に登ります。林道歩きが長いですが、メジャーなルートだけあって整備された歩きやすい道です。

区間2鍋割山からユーシンロッジ分岐までは、バリエーションルートの鍋割山北尾根ルートを使いました。オガラ沢出会で玄倉林道に下り、一部崩壊した林道をユーシンロッジ分岐まで歩きます。

区間3ユーシンロッジ分岐から玄倉バス停までは、基本的に林道の歩きやすい道です。通行止めがあったように斜面の崩壊の痕跡は多数あります。特に、雨天時は落石に注意が必要です。

【標高グラフ】

鍋割山への登山道のみ傾斜は急です。それ以外は、林道のため、緩やかな登り、下りになっています。

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区間1:大倉バス停〜鍋割山(8.8km)

小田急線の渋沢駅から大倉行きのバスに乗って、終点の大倉バス停で下車。10分ちょっとで着くため、アクセスは良い。人気の塔ノ岳の登山口でもあり、平日にも関わらずバスには立っている人もいる。大半の人は塔ノ岳に向かった。

バス停で登山届を出す。標識に従って、くねくねと舗装道路を歩いていく。林道の始まりに、「丹沢大山 国定公園」の標識がある。丹沢は都会に近いのに、急峻な山々でがっつり登山も楽しめる。水が豊富で、源流近くでも多くの滝が見られるイメージがある。

西山林道にはゲートがあり、車両は通行止め。斜度はあまり急ではないが、林道の歩きが長い。大倉バス停から二股まで、1時間くらいだった。

西山林道入口

二股で川を渡る。架けられていた橋が流されていた。代わりに丸太が1本置かれていた。乗ってみたら曲がって少しびっくり。ただ、川底についたので、渡るのには問題なかった。

流された二股に架かっていた橋
丸太が1本で川を渡る

次の川にはしっかり橋が架かっていた。さすがにメジャーな登山ルートだけあり、しっかり整備されている。

2つ目の川には橋が架けられていた

登山道に入ると、最初は急な登り。一汗かくと徐々に体が慣れてきて、登りも楽になっていく。稜線に出ると傾斜は少し緩やかになる。

ヘビが登山道を横切る。登山中、ヘビと遭遇するのは意外と少ない。鹿や猿にある方が断然多い。ゆっくりと横切っていたが、急かすと攻撃されそうなので、ゆっくりと通り過ぎるのを見守った。

登山道をヘビが横切る

山もつつじシーズン。みつばつつじかな?⚪︎⚪︎つつじという細かい区分けに自信がない

つつじのシーズン

新緑のなか空に向かうようなトレイルを歩く。稜線歩きは気持ち良い。標高1000mを超えると風が涼しく心地よい。

稜線の新緑が気持ち良い道

鍋割山山頂大倉バス停から2時間半で到着。休日は鍋焼きうどんで混み合う鍋割山荘は空いていなかった。誰もいないので、富士山が一番よく見えるベンチでで休憩。おにぎりを2つ食べて、未知の鍋割山北尾根ルートに備える。

鍋割山山頂

午後から曇りの予想だったので、なんとか富士山が見える時間に山頂に到着。この時期の富士山が上から3分の1くらい雪が被っていて、絵に描く富士山に近い感じがした。

鍋割山山頂からの富士山

最高気温が25℃と初夏のような天候だったが、遠くまで見渡すことができた。一番右側の奥には雪の被った南アルプスの北岳も見えた。

南アルプスの北岳も見えた

区間2:鍋割山〜ユーシンロッジ分岐(鍋割山北尾根ルート)(4.9km)

鍋割山から少し下山すると前方に富士山がよく見える。

鍋割山から少し下ったところからの富士山

トレイルの木々の間から蛭ヶ岳が見える。

木々のあいだから蛭ヶ岳が見える

山頂から7分ほど下ると、オガラ沢分岐に着く。分岐の目印はなく、ロープを超えて、うっすらあるトレイルに入る。鍋割峠からオガラ沢に向かう人もいるが、トレイルが崩壊しているという情報なので、このポイントから鍋割山北尾根ルートに入る方が良い。

このロープを越えて、鍋割山北尾根ルートに入る

バリエーションルートとしては、それほど急ではないブナ林の尾根道を下りていく。

ブナ林の尾根を下りる

旧鍋割峠で登り返し。標高差としては20mくらい。ピークで尾根が右に曲がる。曲がったところにうっすらとユーシンと書かれた表示がある。ピンクテープはないので、地形を見ながらルートを見つける必要がある。

ペンキでユーシンと書いてあるようだ

ほぼ北側に真っ直ぐに尾根から外れないように下っていく。美しいブナ林。新緑が美しい。

美しいブナ林の新緑

尾根から左側に曲がって谷に下り始める。踏み跡が多くて悩むが、赤矢印の目印があった。谷への分岐では緩やかに右側に行くルートもあり、そのルートの場合、尊仏ノ平(玄倉林道の奥側)に向かう。

谷に下りるトレイルには赤矢印あり。ルートの表示はない。

枯れたオガラ沢に下りる。川沿いに歩いていくと鉄製のダムがある。右側より左側が歩きやすい。

鉄製のダムは左側を通る

オガラ沢分岐で玄倉林道に到着する。玄倉林道が荒れているのと、林道がヘアピンカーブだったので、間違って塔ノ岳方面に向かってしまい引き返す。

標識があったらしいところで林道に出る

玄倉林道の上流側はとにかく荒れている。最初は倒木による林道封鎖。緑の葉っぱ付きの倒木なので新しいものである。高巻きで乗り越える。

林道が倒木へ封鎖されている

次に土砂崩れによ林道崩壊。トラロープが垂らしてあったので、下側から通行。ただ、土砂崩れが進んでいるので、林道に復帰するのが大変。下から行くのはお勧めしない。高巻きが正解だったかも。もう少し現場を観察して、判断すべきだった。このような箇所があるので、ここを通るのはお勧めしない。

林道崩壊箇所(ここが最難関だった)

次は、落石による林道崩壊。ここは、慎重に進めば問題ないが、落石に注意が必要。

落石による崩壊箇所

さらに倒木による林道封鎖。高巻きで通行した。林道にはカーブミラーがあり、昔は車が通っていたのだろう。玄倉林道は下流部でも通行止めされていたくらいなので、崩壊しやすい斜面が多い。

倒木による封鎖

熊木沢出会まで来ると、徐々に道は良くなる。ただし、その後も陥没や土砂流出などある。熊木ダム付近に切通しのようなトンネルがある。

手彫りトンネル

区間3:渓流釣り

ユーシンロッジ(閉鎖中)に向かう橋から川に下りて、釣りをしてみる。2年くらい前に林道が閉鎖されていた時は、釣り人が来れなくて、うぶな天然イワナが釣れたらしい。狙ってみたが、もう釣られすぎたか、擦れたイワナしか残っていないのか、技量の問題なのか、で釣れなかった。

ユーシンロッジ付近の川

区間4:ユーシンロッジ分岐〜玄倉バス停(9.5km)

ユーシンロッジ分岐から玄倉バス停までは、林道が復旧して、危険箇所はなかった。ただし、崩やすい斜面のため、落石には注意が必要。手彫りのトンネルや復旧した綺麗なトンネルなどを通る。

新旧様々なトンネルを通る

玄倉ダムで水がブルーになっている。これがユーシンブルーだ。水にマグネシウムが入っているので青くみえるという説があるが、はっきりしていないとのこと。

ユーシンブルー
ユーシンブルーと新緑

1箇所だけ長くて曲がっているトンネルがあり、ライトが必要。携帯のライトでも通ることができるが、ライトを使った方が良い。

ここのトンネルのみライト必要

2時間弱歩いて、ユーシン分岐から玄倉バス停まで到着した。ここから小田急線の新松田駅までバスに乗った。バスは、JR御殿場線の谷峨駅と山北駅にも途中立ち寄る。

丹沢湖に到着

ヤマレコ記録

詳細なルートの参考用として、ヤマレコの記録をつけておきます。

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