梅里雪山・巴拉格宗香格里拉大峡谷とは
シャングリラ(香格里拉)から1泊2日で梅里雪山と巴拉格宗香格里拉大峡谷に行ってきた。
地球の歩き方は5年更新が止まっている。ネットの情報もなく、中国ではGoogleマップは機能しない。シャングリラに入ってから手探りで進める。誰も英語を喋らない。自分は中国語が出来ないため、詳しい情報は分からない。
ホテルの受付で、「梅里雪山に行きたいけど、ツアーないか?」と翻訳アプリで聞いた。運転手を紹介してもらい、WeChatのチャットでやり取りをする。価格と行く場所大体決めて、明日7時出発とした。
梅里雪山は、シャングリラから北西に200kmくらいのところにある。ほぼチベット自治区である。どんな所でどんな風景を見られるか期待が膨らむ。

「梅里雪山」とは、
東チベットに住む仏教徒であるチベット族にとって、梅里雪山は最も重要な聖山とされている。
梅里雪山(標高6840m)は未踏峰の山。1991年に日中合同登山隊が遭難して17名の方が亡くなっている。チベット族の反対もあり、現在は登山禁止となっている。
チベットの聖山としては高原の西にあるカンリンポチェが有名である。しかし、この辺りはチベット族の中のカンパ族。運転手さんもカンパ族である。カンバ族にとっては梅里雪山の方が重要である。カンリンポチェを知らない人もいるくらいであるようだ。とにかく、この辺りの人々にとっては、一番の聖山として崇められているのは間違いない。
チベット巡礼者たちは梅里雪山を一周する巡礼路をめぐるために遠くからやってくる。瀾滄江(メコン川)と怒川(サロウイン川)の分水嶺を越えて巡るため、大きな峠を越える。一周に13日かかる。
「巴拉格宗香格里拉大峡谷」とは、
シャングリラから北西に約75kmにある四川省に隣接する大峡谷。金沙江(長江)の支流崗曲河が造り上げた峡谷で、長さは154kmに及ぶ。風景名勝区の入り口である水荘の標高は2050メートルで、最高地点の格宗雪山の標高5545mととの標高差は約3500m。
多様な自然の形態と独立した生態環境により、 多くの希少で貴重な動植物群が生息している。913種類の種子植物と210 種類の薬用植物が自生している。さらに、川沿いには砂漠のサボテン、 海沿いのヤシや常緑樹など熱帯植物が生育し、崖の上には濃い針葉樹林が生育している。
シャングリラ〜飛来寺
7時ちょうどに約束通りドライバーがホテルに迎えに来た。奥さんもドライバーとして同乗することになる。2人ともチベット族のカンパ族。ドライバーは27歳で若く陣内くん似。奥さんは軟式テニスをやっている感じ。軟庭女子。サンバイザーをしていて、やや色黒。高校時代の同級生にいた感じ。自分は軟庭男子だった。
朝ごはんを食べに行く。新疆麺を注文。頭に帽子を被っていて回族と思ったので、新疆の料理を頼んだ。

シャングリラを抜けるとナパ湖。湖というより草原がメインかも。平らな草千里みたい。新緑の季節は綺麗だけど、冬だといまいちかもしれない。周りの木は松の木が多い。秋は松茸食べ放題だ。
今日泊まる手前の町の徳欽まで145キロ。奥さんは安全運転。

いきなり1000m以上下った。標高は2000mくらいしかない。身体は正直に反応。頭痛がすっと消える。Apple Watchでの催眠中の血中酸素濃度が平均85%。最低が81%だった。ダメージはあったのだろう。
標高が下がると岩山。標高が上がると緑の山なのが違和感がある。
金沙江(長江)沿いには 走る。右岸が四川。左岸が雲南省。
川から離れて登りに入る。小さなお寺の奔子栏安曲寺がある。龍を磨いてお参りするとお金持ちになるようだ。ドライバー夫婦がトイレのブラシのようなもので、ゴシゴシ磨く。龍が痛そう。

さらに登ると、金沙江(長江)の蛇行が見れる地点に来る。

ドライブインみたいな所で休憩。おばちゃんが冬虫夏草を売り込んでくる。名前は知っていら程度。高級品で買わないでしょ。

初めての雪の被った白馬雪山がみえてきた。この辺りで、標高4000m。人生初の標高4000m。景色はもはやスイス🇨🇭
山道に入ると奥さんのスピードが上がる。街でのゆっくり運転は何だったんだろう。


高山植物(チングルマ?)とタンポポが一緒に咲いていた。緯度が低い高山だからこんなことが起こるのだろうか?

一番高い峠で、4292m。ここまで、2000m上がってきた。道路は非常に良い。乗鞍スカイラインレベル。峠のトンネル付近が崩壊していて旧道を通る。旧道もちゃんとした舗装道路。トンネルでなく、峠まで行くことができてよかった。
頭痛はそれほどではないが、めまいはしそう。旗みたいなのは、チベットの経典。


徳欽までまた1000m下る。観光地図ではこんなにアップダウンがあるのは分からない。
このエリアには、金沙江(長江)、瀾滄江(メコン川)、怒江が隣り合って流れている。長江とメコン川の上流がこんなに近いのかを実感した。
この三江併流地域は、2003年7月に世界遺産として登録された。また、中国で最も生物の多様性のあるエリアというだけでなく、世界の動物の約25%が生息しているとされ、高く評価された。
徳欽は、辺境の町かと想像していたが、きれいな町だった。良いところを切り取った写真だが、ヨーロッパ風に見えなくはない。

ここで昼ご飯。豚足と野菜の鍋料理で、辛いのはやめてもらった。食事鍋料理が多いのようだ。ここまで、160kmくらいで、約4時間。

で徳欽から10kmほどで今日の宿泊地の飛来寺エリアに着く。梅里雪山がきれいにみえるからここにした。安いホテルで良いと伝えた。ホテルからの景色も良い部屋をとった。230元。景色の良い部屋は割り増し料金である。この景色を見られるならこの部屋で良いでしょう。
標高は3457m。もはや富士山より低いと安心する。
到着時は、梅里雪山は雲の中だった。

ここもリゾート化されつつあり、景色の良いところにはホテルがあり、多くのホテルも建設中だった。

梅里雪山 : 日照金山をみる
オシャレなカフェもあり、雲が取れるのを待つ。

一瞬、山頂が見えた。

さらに夕方になると、雲が取れ梅里雪山の全貌が見えた。


翌朝、日の出(6時24分)で朝日に赤く照らされる梅里雪山を見に行く。朝日に照らされる梅里雪山のことを「日照金山」という。見られると幸運に恵まれるとのこと。
日の出前、山々はよく見えた。

神様の意地悪か低層の雲が流れていき、梅里雪山を隠す。日が出たため、山が赤く染まるのはわかる。

日が少しずつ高くなってきて、今日はダメかと諦めモードに入る。その時、雲の切れ間から、赤く染まった梅里雪山の最高峰のカワクボが見えた。その後、また雲の中に隠れてしまったが、一瞬見えた喜びは格別だった。



その後、屋台で豆乳と肉まんを朝食として食べる。中華圏の朝食はこれに限る。

巴拉格宗香格里拉大峡谷(バラクゾンシャングリラだいきょうこく)
シャングリラに帰る途中、巴拉格宗香格里拉大峡谷による。
料金がかかるので、ドライバーは入り口で待ってもらう。完全に中国語の説明なのが難点。
入場料110元とバス60元で、合計170元。
バスで回るのは、以下の順番。
- 巴拉村(1000年続く古村であるが、今は観光村)
- 回音壁(断崖絶壁を歩く)
- 巴拉達擁仏塔(お寺で説明を聞く)
- 大渓谷(川沿いに下りて歩く)
6時間くらいかかる。ただ、渓谷沿いを歩くのかと思っていたら、3000mまでバスで上がる。渓谷の600m上の断崖絶壁を歩く。最後に下から山を見上げて歩くと楽しめました。ただし、人々の生活感ゼロ。
入り口から観光地感を醸し出す。

1つ目は巴拉村。格宗雪山(5545m)が見えます。バスを降りる時、出発時間は指示しているようだ。ただ、前のバスにも後ろのバスにも乗れますので、言葉が分からなくても何とかなる。


2つ目は、3000mの絶壁をへばり付くように1kmくらい歩く。よくこんな歩道を作ったものだ。下がスケスケのガラス張りの展望台がありる。スライダーをやっている人もいる。絶対無理。




3つ目は、巴拉達擁仏塔でお寺やチベット教の話を聞く。完全中国語。


最後は川沿いを歩く。往復5km。変わらぬ風景をガシガシ歩く。オプションで帰りはボートで帰ることもできる。



シャングリラまで戻る
シャングリラへ戻る途中、鳥鍋を食べた。一人旅だとなかなか食べられないので、良かった。白湯のスープで、辛さ調整は各自。普通に美味しかった。裏にはニワトリがいた。



最後に、2日間案内してくれたドライバーを紹介する。WeChatのIDは、「wxid_qbrjmvv0zlwv22」である。私の実績があるので、問題はないと思う。
山を越えた四川省の稲城出身。奥さんはシャングリラ出身である。
行きたいところを言えば、考えて連れて行ってくれる。巴拉格宗香格里拉大峡谷など入場料のかかる所は知らないので、ツアコンとは違うので理解しておく必要がある。料金は車代のみで、食事と宿泊は含まれていない。
私としては、2日目に巴拉格宗香格里拉大峡谷まで行けると思っていなかったので、良かった。
また、四川省の稲城にも2日間で行くことも可能であったが、翌日から天気が悪くなる予報(実際は悪くはなかった)のと、トレッキングするなら3日必要なので見送った。

観光化と中国農村の現在について
中国南部の奥地を旅して、ここまで観光地化されているのかと驚いた。西部の奥地は知らないが、南部にはもう秘境感のところはなさそうである。
インフラが整備されて、豊かになるのはよいこと。豊かな国は地方が豊かであると思っている。道路といったインフラだけでなく、衛生状態の向上も凄まじい。
できれば生活感のある農村エリアも見てみたい。
最近、田原史起さんの書いた「中国農村の現在」を読んだ。
でも、ふと考えると、中国の農村って、いったいどうなっているのだろうか? よくわからない。実は農村は、発展する都市の陰に、完全に取り残されているのではないか? 農村から都市への出稼ぎ者である「農民工」は労働の現場で虐げられているのではないか? 「留守児童」は憐れむべき状況に置かれているのではないか? 農村の人々の不満が渦巻いて暴動が頻発し、崩壊寸前なのではないのか? 本当のところが知りたい。
まさに知りたいのはこのこと。本の内容を咀嚼しきれていないが、この本によると都市と農村の格差縮小という良い方向に向かっているようだ。
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