これを最後まで読んだ方は、一緒に旅したのと一緒。バーチャル中辺路歩き(1日目)です。
1日目の概要(滝尻王子〜比曽原王子:17.0km)
熊野トラベルのガイド・地図が分かりやすく、参考になります。紀伊田辺駅のバス停前にある田辺市観光センター(営業時間9〜18時)で入手できました。
また、熊野古道中辺路押印帳(100円)と 共通巡礼手帳(無料)も入手できます。
ガイドブックによると、1日目の標準時間は6.5〜9時間です。標準時間の早めで歩けない方は、紀伊田辺で前泊して、早朝から歩き始める方が良いです。
自分のGPSの記録では、距離17.0km、登り1301m、下り943m、時間5時間19分でした。登りが1300mあるので、中級登山コースのレベルです。
【標高グラフ】

<熊野トラベルのHPより>
滝尻までの移動
天王寺駅を5時25分発の電車に乗り、鳳駅と和歌山駅で乗り換え。8時40分に紀伊田辺駅着。
忘れずに、田辺市観光センター(営業時間9〜18時)でガイド・地図、スタンプ用紙をもらうこと。バスが9時10分発だったので、営業開始と同時に必要な資料を入手する必要があります。駅前にはセブンイレブンがあります。
9時10分発の栗栖川行きのバスに乗車し、滝尻で下車。ICカードを使うことができません。料金は970円です。1000円札は車内で両替可能です。
滝尻王子〜高原熊野神社
バスを降りたのは、中国語の集団6名と自分だけ。メジャーなルートと思ったが、歩く人は少ないのかな?
川を渡って、熊野古道館で準備をする。ゆっくり展示物を確認したいが、日没も早い。歩き始める。まず、滝尻王子に参拝。共通巡礼手帳にスタンプを押す。

滝尻王子(この後、数多くの神社にお参りすることになる)
滝尻王子の裏から熊野古道に入る。いきなり、熊野古道っぽいトレイルの始まりだ。

熊野古道らしい石段
杉林の中を高度を上げていく。最初が一番急だった。昨日少し雨が降ったので石畳が濡れていて雰囲気がある。落葉樹でなくて常緑樹が多い。三浦半島や伊豆半島の植生に近い感じ。ただ、自然林でなく、杉の植林という点は違う。
途中、胎内巡りがあった。中に入ったが、リュック背負ってると引っかかって、周り道をいった。

胎内巡りの出口(リュックが引っ掛かり出られず)
今日は風がなくて穏やか。暖かいしタイツ入って来なければよかった。汗をかかないペースで歩く。
小ピークを上り切ると緩やかな登山道。道幅も広い。風がない快適さを実感する。飯盛山からは展望が開けて、近くの山と山里が見える。セブンイレブンで買ったおにぎりを食べる。

飯盛山(ピークに寄ってみる)
舗装道路に出て1時間30分程度で高原熊の神社に到着。
高原熊野神社〜近露王子
最初の山を越えたので、高原熊野神社で小休憩。

高原熊野神社
集落には、民宿、ゲストハウスを多く見かける。冬場は閑散期でやっていないのか?
展望台があった。紀伊山地の山々が見える。紀伊山地というと、映画「大誘拐 RAINBOU KIDS」を思い出す。山深いイメージがある。北林谷栄は、本当にいい味を出していた。今思えば、トトロのおばあちゃん(声優)だけはある。
ここは、里山な感じ。これから、山深いところに入っていくことが楽しみだ。

高原の展望台からの山並み
高原から近露までは民家がなく、4時間かかるという注意標識があった。高原から石畳の杉林の道を歩く。ただ、大門王子までは緩やかな登り。

石畳の道も熊野古道らしさを醸し出す

緊急時に位置を示す標識が多数あり
逢坂峠で一旦車道を渡って、またトレイルに入る。ここから道の駅までが、本日の下りで1番急だった。九十九折りで下っていく。
国道を渡って、道の駅に立ち寄る。ゆで卵でタンパク質を補給。高菜を巻いた名産のおにぎり(めはり寿司)でエネルギーを補給。
牛馬童子まで来ると少し下って、近露の集落に到着。

牛馬童子像(牛と馬に跨っているかわいい石像)
近露王子〜比曽原王子
近露集落に下りて、橋を渡ると近露王子。チェックインの15時前についてしましそうなので、ゆっくり歩く。

近露王子の碑
近露は、大きめの集落。昔ながらの建物と観光客向けのおしゃれなカフェなどが混在している。素泊まりの人もスーパー(Aコープ)があり、買い物できる。

懐かしい風景が残っている

集落の中を歩いていく
宿泊先
比曽原王子手前の「古道の宿 ひよどり」で宿泊した。8名までしか泊まることができない小さな宿。1泊3食付き。次の日のお弁当も付くので助かる。初日だが、洗濯もした。できる時にやっておいた方が良いと判断した。

古道の宿 ひよどり
宿泊者は一人だけ。豪華な夕食を作っていただいた。食前の梅酒、刺身、天ぷらなど。蕗のとうの天ぷらは、山菜好きにはたまらない。血糖値を下げる菊芋も天ぷらで食べた。あと、猪の鍋もついていた。生姜の入った味噌ベースのスープで体が温まる。猪は初めてかも。全然臭みはない。
オープンまもない宿とのことだが、暖かさを感じる宿で居心地がよかった。

手作りで栄養バランスの良い晩御飯

いのしし鍋(生姜の入った味噌のスープ)
食後、発売したばかりの高野秀行さんの『酒を主食とする人々』を読み終える。
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」まさにその通りの本。エチオピアの少数民族で、お酒を主食としている(栄養の大部分を酒から得て、しかも子供の妊婦もお酒をのむ)ことを調査するノンフィクション。人間というのは環境に合わせて工夫して進化するものだ。
「アルコールは良くない。控えるべき。」というのは現代医学の視点。一方、アミノ酸やミネラルなど豊富で栄養価が高くて、健康に悪影響はないどころか良いとのこと。つまり、アルコールが悪でなく、我々のようにアルコール度数のお酒をふらふらになるくらい飲み、脂っこいものをたらふく食べることが悪であるということだ。
エチオピアといえば、内戦のイメージがあった。内戦が激しいのは北部で、この本の舞台である南部は焼き討ちというレベルの争いのようだ。軍隊が介入するようの紛争は人々を不幸にすると改めて思う。
熊野古道中辺路押印帳と共通巡礼手帳について
スタンプ用紙は、熊野古道中辺路押印帳(100円)と共通巡礼手帳(無料)の2種類あることが後から知った。
今回は、共通巡礼手帳にスタンプを押し、2日目までで巡礼達成の証明をもらった。自分としては、まだ旅程の半分も行っていないので、巡礼達成というのもなんだかなぁと思った。3日以降もスタンプを押し、裏面までスタンプがいってしまった。いつかはスペイン巡礼するつもりなので、この用紙を大切に保管しておくつもり。
今回は、中辺路完全踏破(紀伊田辺〜滝尻はバスだが)に近い。こちらを達成して、中辺路完全踏破証明書をもらった方が、達成感があったかもしれない。
目的が違うので、今回両方に押印すればよかった。
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