電車旅⑥ 津山〜新宿 なぜソースを塗ってから出汁に?姫路の「謎たこ焼き」

中国地方

はじめに

5日間用の「青春18きっぷ」を使って、岡山県の津山から新宿まで普通列車で帰宅。

車窓を眺めながら、読書。そして、お腹が減ったら、途中下車をして、ご飯を食べ、また電車に乗る旅。

基本的には、山陽線と東海道線で、ごく平凡なルートとしました。

  • 津山〜佐用〜播磨新宮〜姫路〜大阪〜天王寺(宿泊)
  • 天王寺〜大阪〜草津〜米原〜大垣〜岐阜〜豊橋〜浜松(宿泊)
  • 浜松〜島田〜沼津〜小田原〜国府津〜新宿

ルートは平凡である旅でしたが、途中の見どころとB級グルメについて紹介します。

普通列車によるB級グルメ旅

津山:ホルモンうどん

岡山県津山市は「牛肉の聖地」とも呼ばれ、非常に豊かな肉文化から生まれたB級グルメが揃っています。そのひとつが、「津山ホルモンうどん」です。

見た目は、ただの「焼きうどん」と変わりありません。ただ、その中にホルモンが入っています。津山には古くから食肉処理場があり、牛をさばいてから短時間で処理を終える高度な技術があるため、ホルモンには臭みがありません。ホルモンらしいプリプリ感とうどんの柔らかさとで食感の違いを醸し出しています。

「そずり焼き」というのも津山名物です。鉄板やフライパンでシンプルに焼いた焼肉。そずりとは、牛の骨の周りに残った肉を、削り取った肉のことです。津山の方言で、削り取ったことを「そずった」という。マグロの中落ちのような感じで、脂の甘みと赤身のコクが両方楽しめます。

見ただけでは分からないメニューが並んでいました。「干し肉」も津山の名物料理。 牛のブロック肉を数日間干して旨味を凝縮させたもので、スライスして軽く炙って食べます。津山は、牛肉の文化が発達していることがよくわかりました。

津山のもう一つの聖地。B’zの稲葉浩志さんの出身地であり、ファンの間では「B’zの聖地」として有名です。イナバ化粧品店は、稲葉さんの実家で、お母様がお店に立たれていることも多く、全国からファンが訪れます。店内には稲葉さんの写真や記念品が飾られており、ファンの交流の場にもなっていると聞きました。

早朝、雨の降る中、「津山城」を見学に行きました。朝早く行き過ぎて、開門しておらず、中に入ることができませんでした。

津山は「西の小京都」と呼ばれているので、今回訪問しました、ただ、東の小京都の角館や川越のように観光化されている感じではなく、ひっそりとした感じ。昔の面影を残す街道も、実際に人々が暮らす家であった。

津山城の東側に位置する、「城東地区(旧出雲街道)」を少し歩いてきました。

明治時代、馬車や車が通りやすくするために屋根の軒先を一斉に切り揃えました。そのため、街道沿いの家々の軒先がピシッと一直線に並んでおり、独特の美しさがあります。

白壁と瓦を組み合わせた「なまこ壁」や、窓に細い木を組んだ「出格子」の商家が並びます。2階の天井が低い「つし二階」という江戸時代特有の造りも多く見られました。

姫路:明石焼き風たこ焼き

「明石焼き風たこ焼き」とは何かについて、説明します。

まず、「明石焼き」についてです。「明石焼き」は、明石市の郷土料理で、小麦粉と卵、そして明石海峡で獲れるタコを使った、だし汁に浸して食べるふんわりとした食感が特徴です。見た目は「たこ焼き」みたいです。「たこ焼き」はソースで食べますが、「明石焼き」は鰹や昆布のだし汁に浸して食べるのが大きな違いです。

次に、「明石焼き風たこ焼き」とは、単に「出汁で食べる」だけでなく、「ソースを塗ったたこ焼きを、そのまま出汁に浸して食べる」という、初めての人には違和感を感じた食べ方です。

「たこ焼き」を「明石焼き」のように出汁に浸して食べるのかと思ってました。

姫路駅前の地下街にある「タコピィ」で、「明石焼き風たこ焼き」を食べました。「明石焼き」ほど卵風味でなく、「たこ焼き」にやや近い感じ。だからソースにも合うし、だし汁にも合うような加減になっています。

本場・明石の「明石焼き(玉子焼)」と姫路の「明石焼き風たこ焼き」の違いです。微妙な違いかもしれませんが、大きな違いです。実際に食べ比べて、違いを味わってみてください。

特徴本場の明石焼き姫路の明石焼き風たこ焼き
ソース基本的に塗らない塗ってから出汁へ
具材タコのみが基本タコ、ネギ、紅生姜など(たこ焼きに近い)
生地卵と「じん粉」でふわふわ小麦粉ベースで、ソースに負けないたこ焼きに近い食感

駅前からの「姫路城」の存在感がすごく、インバウンドの観光客で賑わう姫路駅前でした。

大阪:モーニング

大阪にはモーニング文化があります。チェーン店ではない喫茶店が数多くあり、安価で美味しいモーニングを食べることができます。

「トースト&卵」が基本です。 そして、パンも厚切りが好まれます。バターがたっぷりと染み込んだ、外はカリッ、中はモチッとしたトーストは大阪モーニングの象徴です。

「たこ焼き」、「お好み焼き」だけでなく、街角になる喫茶店で「モーニング」と「モーニング文化」をぜひ味わってください。

ヨーロッパの駅みたいなJR大阪駅。ホーム全体をすっぽりと覆う巨大な銀色のドーム屋根が特徴で、屋根が高いので圧迫感がないのが良いです。

天王寺駅前では、路面電車の「阪堺線」と「あべのハルカス」の対比が何ともいない良い感じです。

岐阜:鳥天丼

大阪から東に向かいます。米原付近だけ大雪となります。日本海の雪雲が通り抜けるため、この付近だけ地形的に大雪になります。

大垣まで来ると、うって変わって太平洋側に気候となり晴天となりました。そこで、岐阜駅で途中下車し、駅の近くで鳥天丼を食べました。岐阜の名物ではないかもしれませんが、地元の日本酒のラインナップが素晴らしくて、ちょっと一杯飲んでしまいました。

浜松:とろろ御膳

浜松で宿泊。浜松といえば「うなぎ」です。それ以外にも、静岡県は「とろろ汁」が有名です。静岡出身の大学の同級生は、「とろろ汁」を自分で作ってよく食べていました。地元に根付いた「とろろ文化」恐るべしです。

注文した料理は、「とろろ汁」だけでなく、数多くの小鉢もついた「とろろ御膳」です。見た目に豪華。これはもうB級グルメでないです。

「とろろ汁」には味がちゃんと付いていて、醤油などを垂らすことは必要ありませんでした。麦飯にかけて美味しく頂きました。

沼津:昔ながらの駅そば

駅ホームにある昔ながらの立食いそば屋が沼津駅のホームにあります。吹きっ晒しの中で立ちながら食べるお蕎麦。最近はなかなか見かけることが少なくなってきました。

冬の朝に、寒い中で食べる立食い蕎麦は格別です。蒲鉾でなくナルトが入っているのが珍しい。ネギも関東風の白ネギでなく、関西風の青ネギというのも特徴的でした。

日本はどの都市に行っても特有の食文化があり、いろいろな味を楽しみながら東京に帰宅しました。

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